NYの視点:米Q2成長加速期待が根強い、小売予想下振れも

2015年7月15日 07:05


*07:05JST NYの視点:米Q2成長加速期待が根強い、小売予想下振れも

米国商務省が発表した6月小売売上高は前月比0.3%減と、改善予想に反して悪天候が影響した2月来のマイナスに落ち込んだ。メモリアルデーの祭日絡みで一部の消費が5月に繰り上げられた可能性や、厳冬の悪影響が第2四半期まで食い込んだ可能性が要因として指摘されている。通常よりメモリアルデーが早かったこと、悪天候の影響を受けて休校となった日数の調整で夏休み入りの時期が後ずれしたため新学期商戦の時期がずれ込んだことなどから調整が困難となり、5月、6月の結果を合わせて考えることが理にかなうとの指摘もある。5月と6月の平均は0.35%増。

変動の激しい自動車を除いた小売も前月比0.1%減と、やはり5月の0.8%増から再びマイナスに落ち込んだ。国内総生産(GDP)の算出に用いられる自動車、ガソリンスタンド、建材を除くコア指数は0.1%減と、5月の0.7%増からマイナスとなった。5月、6月のコアの平均は0.3%増となる。このため、6月分がマイナスに落ち込んだものの、第2四半期の実質消費は比較的堅調で、第2四半期国内総生産(GDP)は期待通りに寒波によって鈍化した第1四半期の経済から成長が大幅に回復するとの期待が存続。年内の利上げが引き続き正当化されるとの見方も少なくない。

一方で、コア指数が前年比で2.1%増と、依然、リセッショナリーな水準で推移していることに懸念を表明しているアナリストもいる。また、米国の6月輸入物価指数は前月比で0.1%減、前年比で10.0%減。変動の激しい燃料を除いた場合、0.2%減と輸入インフレも依然抑制されている。外国車の価格は前年比で2%減と、下落幅は1981年以降で最大を記録した。《NO》

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