国営企業「ロスコスモス」設立法、ロシア大統領が署名=成立、発効へ

2015年7月14日 18:45

 ロシア大統領府は7月13日、ロシア連邦宇宙庁とロシアのすべての宇宙企業とを一つにまとめ、新たに国営企業「ロスコスモス」を設立することを定めた法案に、プーチン大統領が署名したと発表した。これにより法律は正式に成立し、発効されることとなる。

 同法は今年1月に提出され、7月1日に国家会議(下院に相当)を通過し、また8日には連邦会議(上院に相当)を通過していた。

 この法律は、ロシアの宇宙開発機関であるロシア連邦宇宙庁と、国営の統一ロケット・宇宙会社とを統合させて、新たに国営企業ロスコスモスを設立することが定められている。なお、実際に設立される時期については明記されていない。

 ロシア連邦宇宙庁は2004年にそれまでのロシア宇宙庁(1992年〜1999年)、ロシア航空宇宙庁(1999年〜2004年)を引き継ぐ形で設立された機関で、ロシアの宇宙開発計画を取り仕切ってきた。今回新たに発足することになった会社と同名のロスコスモスという通称でも知られる。

 一方の統一ロケット・宇宙会社は、2014年3月5日に誕生したばかりの国営企業で、それまで点在していたロシアの宇宙企業を一挙に束ねる形で発足した。例えばソユーズ宇宙船を製造しているRKKエネールギヤ社、プロトンやアンガラ・ロケットを製造しているGKNPTsフルーニチェフ社、ロケットエンジンを製造しているNPOエネールゴマシュ社などは、この統一ロケット・宇宙会社の傘下に入っている。

 統一ロケット・宇宙会社は、ロシアで近年、ロケットの打ち上げ失敗や人工衛星の故障などが相次いでいることを受けて設立されたものだが、設立以降も失敗は頻発しており、より一層の改革を行うことで、立て直しと強化を図る狙いがある。

 ロシアの省庁が企業化するのはロスコスモスが初めてではなく、2007年にはロシア連邦原子力庁が国営企業ロスアトムに再編されている。ロスアトム社はロシア国内における原子力発電所の建設を進める一方で、国外に対しては原子力の輸出を積極的に行っており、着実に成果を出している。今年1月の時点で、メドヴェージェフ首相はこのロスアトム社の成功例を挙げ、ロスコスモス社に期待しているとの発言を行っている。

■Подписан закон о госкорпорации «Роскосмос» • Президент России
http://kremlin.ru/events/president/news/49919

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