新入社員「人並みに働けば十分」過去最高の53.5%に「ほどほど・サバサバ志向」強まる
2015年7月13日 11:50
今年の新入社員は「人並みにほどほどの働き方がしたい、同僚とは適度な距離をおいて付き合いたい」という「ほどほど・サバサバ志向」が強いようだ。公益財団法人日本生産性本部が、15年度の新社会人向け研修に参加した社員に対し調査票を配布してアンケートを実施したところ(有効回答数2026名:男性1319名、女性705名)、「人並み以上に働きたいかどうか」では「人並みで十分」が前年から増加(昨年52.5→53.5%)し、「人並み以上に働きたい」(昨年40.1→38.8%)を大きく上回った。「人並みで十分」と回答した新入社員の割合は過去最高で、働き方の“ほどほど志向”が強まっている。
「どのポストまで昇進したいか」についても、10年前と比べると男性では「社長」という回答が大きく減り(27→17.4%)、「部長」と「課長」が増加(「部長」は13.7→20.2%へ、「課長」は3.2→6.4%へ)。ただし女性では「部長」が増える(7.2→10.5%)など、昇進志向が高まる傾向もあった。安倍政権が「女性の管理職比率引き上げ」を掲げていることで、女子新入社員の意識が変化したのかもしれない。
なお、今年から新しい項目として「ワークライフバランスに積極的に取り組む職場で働きたい」を追加したところ、肯定的な回答は89.8%だった。ブラック企業問題が関心を集めているせいか、高い水準となっている。また、昨年追加された「できれば地元(自宅から通える所)で働きたい」は、64.8%から65%と微増だったのに対し、「海外の勤務があれば行ってみたい」は、46.3%から43.7%に減少した。 仕事観、人間関係観については“サバサバ志向”も強まった。昨年から大きく増えたのは、「仕事はお金を稼ぐための手段あって、面白いものではない」(32.7→35.7%、3ポイント増)、「同僚が残業していても自分の仕事が終わったら帰る」(35.1→41.5%、6.4ポイント増)や、「友人といるより1人でいる方が落ち着く」(47.3→51.9%、4.6ポイント増)など。日本生産性本部では調査結果から、「全体として職場や仕事へのコミットメントは低下する傾向が見受けられる」とコメントしている。(編集担当:北条かや)