中国エアコン生産を日本へ一部移管、円安に対応=ダイキン

2015年7月10日 09:53


*09:53JST 中国エアコン生産を日本へ一部移管、円安に対応=ダイキン
中国での家庭用エアコン生産事業について、ダイキン<6367>はこのほど、生産の一部を日本国内に戻すと発表した。円安の進行や人件費の上昇、物流コストの増大などが要因。日本向けに販売する機種を中国生産するメリットが薄れたと説明している。

中国での生産委託先である格力電器(000651/SZ)と、江蘇省蘇州市に構える自社工場で生産する日本向けローエンド機種について、滋賀工場での生産へと切り替える。2015年度は合計で、前年度比約2割、15万台分の移管を想定するという。

ダイキンの日本生産回帰の動きはすでに以前からあった。格力電器への委託分について、2014年以降、滋賀工場での生産に切り替え始めている。当初の発表によれば、その規模は年25万台分とされていた。

今回の発表で注目されるのは、中国自社工場で生産する日本向け機種についても、日本国内に戻すことを決定した点だ。これを受けて中国の市場関係者の間では、「ダイキンが中国事業から完全撤退するのではないか」との憶測も浮上した。この観測についてダイキン側は否定。蘇州の自社工場では、中国現地向け機種の生産を増やす考えを明らかにした。現地の需要に対応した新機種を今後も投入する方針という。

ダイキンによると、同社の14年度中国売上高は、前年比9.4%増の3533億7600万円だった。売り上げ全体の18.44%を占め、日本、米国に次ぐ第3の市場地位を確保している。なお、同社は蘇州のほか、上海市と広東省恵州市にも自社工場を擁する。

【亜州IR】《ZN》

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