NYの視点:米労働市場のたるみは一段と解消
2015年7月8日 07:09
*07:09JST NYの視点:米労働市場のたるみは一段と解消
イエレンFRB議長が注視しているJOLT指数の5月分は前月比2万9000件増の536万件と、過去最高に達した。この結果は、米国の労働市場のたるみが一段と解消した証拠となる。内訳で、5月解雇率(Layoffs/discharges rate)が1.2%と、4月1.3%から低下。危機以前の水準 1.4%を下回る水準を維持した。項目の中で、イエレンFRB議長が特に重要視している5月退職率(Quits rate)は1.9%と、4月に並び危機前の2.1%を若干下回った。
6月の広義の失業率(U-6)は危機前の水準からすると依然高止まりしているものの、5月の10.8%から10.5%へ低下。長期の失業率も15週以上が42.7%と、5月43.4%、前年の48.7%から低下した。米国の労働市場は緩やかながら改善を継続しており、利上げを正当化する。しかし、ギリシャや中国など世界の金融不安が今後、米国の経済の逆風となる可能性も否めない。国際通貨基金(IMF)は引き続きFOMCに利上げの開始を2016年の上半期に遅らせるべきだと繰り返した。
○イエレンFRB議長の雇用たるみダッシュボード
◎危機前に比べ状態が改善 危機前の水準と比較
6月雇用者数(Nonfarm payrolls):22.3万人(5月25.4万人) 16.18万人(上回る)
5月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.2%(4月1.3%) 1.4%(下回る)
5月求人率(Job openings rate):3.6%(4月3.6%) 3%(上回る)
◎状態が危機前より依然悪い
6月失業率(Unemployment rate):5.3%(5月5.5%) 5%(上回る)
5月退職率(Quits rate):1.9%(4月1.9%) 2.1%(下回る)
6月広義の失業率(U-6):10.5%(5月10.8%) 8.8%(上回る)
5月採用率(Hires rate):3.5%(4月3.6%) 3.8%(下回る)
6月長期失業率(15週以上):42.7%(5月43.4%、前年48.7%) 19.1%(上回る)
(27週以上):25.6%(4月28.6%、前年32.6%)
6月労働参加率:62.6%(5月62.9%) 66.1%(下回る)《NO》