NYの視点:ギリシャ情勢今後の予定、ギリシャ提案待ち

2015年7月7日 07:01


*07:06JST NYの視点:ギリシャ情勢今後の予定、ギリシャ提案待ち

注目されていた国民投票で、ギリシャ国民はユーロ圏の債権者が先月提示した救済策の条件を受け入れないことを支持した。しかし、この時点で、救済策はすでに失効、ユーロ圏の債権者も提案を無効としており、債権者からは国民投票実施に懐疑的な見方も少なくなかった。資金がひっ迫し、資本規制を導入しているギリシャのツィプラス首相は国民投票終了後、「48時間以内に合意に達する」と公約したものの、速やかな合意に達することは不可能と見られている。ツィプラス首相がブリュッセルで7日に開催される予定の臨時サミットで欧州債権団に提示するギリシャ側の提案を待って、債権者側との新たな救済策に関する協議が始まる。

ギリシャは30日の支払いを不履行としたため国際通貨基金(IMF)に「延滞国」と認定された。このため、国際通貨基金(IMF)から支援を受けることはできない。そんな中、ラガルドIMF専務理事は、要請があればテクニカルな支援をする用意があると表明。欧州中央銀行(ECB)もギリシャの銀行に対するELA(緊急流動性支援)上限引き上げの要請を拒否、ギリシャ銀行の担保価値を引き下げたものの、ELAを現状で据え置くことを決定している。現在の状況下で、ECBがギリシャの銀行に対してELAを継続することは特例。ギリシャの銀行やギリシャにとって、ECBのELAは唯一の資金源となっている。しかし、万が一ギリシャがユーロ圏を離脱した場合は、ギリシャの銀行はECBの支援を得られなくなる。

ギリシャは資本規制を、ユーロ圏臨時首脳会談や財務相会合後の8日まで維持することを発表している。ギリシャの銀行も8日まで休業。20日の35億ユーロの欧州中央銀行(ECB)への支払いを含めて、7月、8月には大規模な支払いが期日を控えている。ギリシャは果たして、それまでに債権者との合意にこぎつけ救済策を得て支払を履行することができるかどうかに焦点が集まる。《NO》

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