拡大する「空き家」問題。本当に価値のある不動産とは?
2015年7月5日 13:35
人口減少と少子高齢化を背景に、日本全国で今、「空き家」が社会問題化している。総務省によると、2013年10月1日現在、日本の総住宅数は6063万戸、その内820万戸が空き家だという。この数は5年前に比べて63万戸(8.3%)増加しており、総住宅数に占める空き家率は13.5%と過去最高を記録した。
空き家を放置すれば、倒壊の危険が増す。たとえ今現在は大丈夫でも、家は人が住まなくなると途端に傷みが進むため、空き家の状態が長く続くと、知らず知らずのうちに近隣住民を危険にさらしてしまうことにもなりかねない。また、空き家が増えると地域の治安悪化につながる恐れもでてくる。
政府ではこの空き家問題を深刻にとらえ、2015年5月26日に「空き家対策特別措置法」(以下「空き家対策法」)を施行して本格的な対策に乗り出した。この空き家対策法が施行されたことで、倒壊の恐れがある建物はもちろん、街並みが歯抜けになる等、地域の景観を著しく損いかねない家屋や、いわゆるゴミ屋敷などに対し、自治体が「特定空き家」(危険な空き家)と判定した場合、所有者に撤去や修繕を指導、勧告、命令でき、さらには土地の固定資産税を最大で6倍に上げるなどの厳しい罰則などが適用されるほか、命令違反に対しては強制撤去も可能となった。
このような状況の中で、これまで戦後日本を支えてきた「持ち家志向」が薄れつつあり、とくに若い世代を中心に気軽な賃貸住宅に住まおうとする世帯が増加傾向にあるようだ。そこで、この空き家問題について、地域密着型の住宅販売と、徹底したアフターサービスによる「永代家守り」活動を行っているアキュラホームの意見を伺った。
「今後の不動産価格下落も予想されている中、家を買わない方が良いという意見があるのは事実です。しかしながら、今、空き家になってしまっている家の多くが、高度成長期の人口増加に対応するために大量生産された、いわば時代のニーズに合っていない住宅です。また、土地が下落しているのも一昔前に拡大目的で建てられた古い団地などの不便な地域がほとんどで、利便性の良い場所はそんなに下がっていません」
空き家が増える一方で、新築住宅が建ち続けているのも日本の住宅事情の特異な点だ。少し前までは、建物は住宅ローンを完済した頃には資産としての価値がほとんどなくなってしまうと言われていた。しかし、高度成長期に建てられた住宅と、技術が進化した現在の住宅の強度や耐用年数が同じであるはずがない。
とはいえ、未だに僅か20年や30年で価値が失くなってしまうような安普請の住宅が建てられているのも事実だ。将来の空き家をこれ以上増やさないよう、住宅選びの際には本当に価値のある住宅を選びたいものだ。また、購入後のアフターサービスやメンテナンスの対応や評判もしっかり調べておくことが、業者選びの重要なポイントにもなるだろう。(編集担当:松田渡)