徴兵制禁止・あくまで政府の解釈と警告―民主
2015年7月5日 18:26
民主党は、日本は集団的自衛権を有するが、現行憲法第9条の下では行使できないと歴代内閣が堅持してきた憲法解釈を閣議決定で限定的にせよ行使できるとした安倍政権の根拠に基づき、徴兵制についても「そのようなことが許されるなら、徴兵制も同じ」と法的安定性を崩してしまう危険を訴えている。
民主党は「憲法は苦役を禁止しているだけで、徴兵制を禁止するとは書いていない。徴兵制が禁止されてきたのは、あくまで、政府の憲法解釈によるもの」と集団的自衛権に対する根拠と同様であることを示している。
集団的自衛権行使と同じように、「憲法解釈を閣議決定で変更し、徴兵制は可能であると時々の政権によって解釈が変更される可能性も、論理的には否定できない」と一内閣が憲法解釈を変更することによって、歴代内閣が堅持してきたものを崩すことの危険性を訴え、解釈変更を根拠とする集団的自衛権行使を認める安保法案部分は「違憲」で、認めてはならないと間接提起している。
自民党の佐藤正久元防衛大臣政務官は「徴兵制で子育て世代女性の不安を煽るチラシとは?社民党に似ている?」とけん制。日本を取り巻く環境が厳しいと、安全保障環境の変化に認識を共有するなら、政府案への対案を出すべきと言いたげなツイートをした。
ただ集団的自衛権の行使に対する憲法解釈の変更で、民主党の指摘は論理的に成立する。違憲の指摘の多い政府の安保法案に、修正が求められている。(編集担当:森高龍二)