今夏の旅行者数、過去2番目の7816万人―海外組は連続低迷
2015年7月3日 17:30
JTBは2日、「夏休み(7月15日~8月31日)に、1泊以上の旅行に出かける人」の旅行動向の見通しをまとめた。その結果、旅行意欲高く、国内旅行がけん引して総旅行人数は過去2番目の7,816万人となるとしている。
同社では、今年の夏休みの旅行者動向は総旅行人数7,816 万人(+0.1%)となり、2014年を上回り過去2番目となる見込みとした。旅行意欲が堅調な背景には、消費増税の影響がなくなったこと、雇用環境の好転、夏期ボーナスの増加などによる所得の向上があるとしている。
総旅行人数7,816万人の内訳は、国内旅行者が7,561万人で海外旅行者は255万人(▲1.9%)。海外組が低迷している要因としては、円安傾向が続いていること、国際情勢や感染症などへの不安などが挙げられている。
国内旅行の出発ピークは、同社の企画商品の予約状況から8月12日(水)~14日(金)。旅行の目的は、「帰省」、「温泉」、「自然や風景を楽しむ」で、昨年より増加したのは、「観劇、イベント参加、スポーツ観戦」など。ねぶた祭りやよさこい祭りなど、旅行者も参加できる祭りを楽しむコースが前年より好調だという。
今年の新たな人気傾向として、北陸新幹線効果で北陸や、サミット開催が決定した伊勢志摩方面への旅行や、2015年4月から、順次全国で販売が開始されたふるさと旅行券(プレミアム付き旅行券)などがあるという。また、国内旅行の利用交通機関として、今年は乗用車(レンタカー含む)を挙げる人が増加しているという。昨夏よりガソリン代が下がっていることや、新しい高速道路の開通などが影響しているという。
夏休みの旅行の同行者においては、「夫婦のみ」「三世代」「家族と友人・知人」が増えている一方で、子供がいる世帯は減少傾向にあるという。その要因としては、消費は回復しつつあるものの、5月の消費者物価指数が前年同月比で0.1%上昇(総務省発表)しており、光熱費や日用品などの値上げが影響していると考えられるという。
また、同社の国内・海外旅行の予約状況によれば、国内、海外ともに 6 年ぶりのシルバーウィーク(9月19日(土)~23日(祝)の5連休)に旅行を計画している人も多く、アンケートにおいても「旅行に行かない理由」として、「夏休み以外の時期に旅行する」が、15.4%で、2.7ポイント増加。今年の夏は、9月までを夏休みの期間としてとらえる人も多いようだ。
この調査は、1,200人から回答を得た旅行動向アンケート、JTBグループの販売状況、航空会社の予約状況、業界動向、経済動向から推計したもので、1969年に調査を開始して以来、今年で47回目となる。(記事:町田光・記事一覧を見る)