OracleとGoogleのJava APIを巡る訴訟、米最高裁はGoogleの上告を却下

2015年7月1日 12:10

あるAnonymous Coward 曰く、 2010年より続いているOracleとGoogleのJava APIの著作権侵害を巡る裁判だが、米最高裁は29日、Google側の上告を却下し、Java APIは著作権法の保護対象であるとした2014年の控訴裁の判断を確定させた(ITproCNETの記事Slashdot)。

 この裁判は、2010年のSun Microsystems買収によってJavaの権利を得たOracleが、Googleに対しAndroidでJava関連特許および著作権を侵害しているとして提訴したもの。特許やソースコードについては地方裁判所の時点で問題がないことが明らかになっており、APIが争点となっていた。

 これについて、一審の米カリフォルニア州北部地域連邦地裁ではプログラムコードのみが著作権の保護対象であり、APIは保護対象にならず、また宣言やヘッダーについては同じ機能であれば異なる実装でも同一の記述となるため著作権保護の対象外という判断が下されていた。

 いっぽう二審の米連邦巡回区控訴裁判所では、「コードの宣言や構造、シーケンス、37のJava APIパッケージの構成」について著作権保護対象になるとの判断を示していた。

 今回の決定により、APIは著作権により保護されているとする控訴裁判所の判断が確定する形となり、Googleにはライセンス料と10億ドルもの損害賠償が命じられる可能性がある。

 ただし、APIが著作権保護の対象であっても、フェアユースの下に利用可能だとする余地は残っており、今後その点について下級裁判所で再度審理が行われるという。

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