NYの視点:ギリシャ銀行に対するELAに関するECB判断に焦点

2015年7月1日 07:04


*07:04JST NYの視点:ギリシャ銀行に対するELAに関するECB判断に焦点

救済策の失効間際、ユンケル欧州委委員長は30日、最後の提案をツィプラス・ギリシャ首相に提示したと報じられた。また、失効まで数時間を控えて、ギリシャもユーロ圏に対して新提案を提示したという。しかし、メルケル独首相は国民投票終了前の交渉に否定的な姿勢を見せたため、救済策は失効に。これにより、ギリシャは30日に期限を迎えた国際通貨基金(IMF)への支払いが不可能となった。ギリシャはIMFに支払延期要請を提出した模様。

これを受けて、格付け会社フィッチはギリシャの格付けを「CCC」から「CC」まで引き下げた。この水準は、完全なデフォルトから1ノッチ上。同時に、民間が有しているギリシャ国債がデフォルトになる可能性が強いと警告した。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はギリシャの格付けを従来の「CCC」から「CCC-」へ引き下げ。向こう半年以内のコマーシャルデフォルトは不可避だと指摘している。ギリシャの大手銀4行の格付けもSD (Selective Default)に引き下げた。

欧州中央銀行(ECB)は毎週水曜日にELA(緊急流動性支援)に関しての決定協議を行っている。ギリシャはECBの緊急流動性支援(ELA)の延長を要請したようだが、明日の協議では、救済策の失効とともに投資適格付けを失ったギリシャの銀行に対するELAが果たして延長されるかどうかに焦点が集まる。唯一の資金源であるECBからの流動性が絶たれると、ギリシャの流動性危機が悪化する危険もある。

米国の著名投資家、タイガーファンドのジュリアンロバートソンは、ギリシャ危機がイタリアやスペインへ波及する可能性に言及。ユーロ・ドルは簡単にパリティ、1.00ドルを割り込むだろうの見解を明らかにした。《NO》

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