2030年度には新設住宅着工戸数は53万戸に減少

2015年6月30日 11:04

 2030年度には新設住宅着工戸数は53万戸に減少する。野村総合研究所<4307>(NRI)は、2015~2030年度までの新設住宅着工戸数およびリフォーム市場規模を予測した。

 それによると、今後、新設住宅着工戸数は、人口や世帯数の減少や、住宅の長寿命化などの要因により、大きく減少することが見込まるという。中古住宅・リフォーム市場については、今後成長することが期待されているが、現状成り行きでの大きな拡大は難しいと推測した。

 消費税率が10%にアップすることが見込まれる直前の2016年度には、駆け込み需要の発生で新設住宅着工戸数が約92万戸となるものの、2020年度には約76万戸、2025年度には約64万戸、2030年度には約53万戸と徐々に減少していくことが見込まれるとしている。2030年度の戸数は、バブル崩壊後のピークであった1996年度の約163万戸と比較すると、ほぼ1/3の水準に相当。ただし、景気動向などによって、着工が前倒しされたり、先送りされたりすることにより、実際の着工戸数は変動する可能性があるとしている。

 また、新設住宅着工戸数の減少が見込まれる一方、リフォーム市場は「住宅の長寿命化」などに伴い、拡大することが期待されている。しかし、現状の趨勢が続いた場合には、大きく市場拡大することは難しく、広義のリフォーム市場規模は2030年まで、年間6兆円台で横ばいに推移すると予測している。リフォーム市場の活性化に向けては、行政主導の政策的支援(リフォームローンを組成し易い環境の整備など)や、民間事業者の創意工夫(工事品質の向上や価格の透明性確保など)、および一般生活者への啓発を積極的に進めていくことが求められるとしている。

 この調査における狭義のリフォーム市場規模は、「住宅着工統計上『新設住宅』に計上される増築・改築工事」および「設備等の修繕維持費」を指す。一方、広義のリフォーム市場規模は、狭義のリフォーム市場規模に「エアコンや家具等のリフォームに関連する耐久消費財、インテリア商品等の購入費を含めた金額」を加えたものとなる(住宅リフォーム・紛争処理センターより)。(編集担当:慶尾六郎)

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