債権団の改革案を実行しても財政再建は実現できない?

2015年6月30日 09:34


*09:34JST 債権団の改革案を実行しても財政再建は実現できない?
 市場関係者の間では、7月5日に行われるギリシャ国民投票に対する関心が高まっている。債権団が提示する改革案(財政再建案)が支持された場合、チプラス首相は辞任すると予想されている。その後、ギリシャ大統領が、超党派による暫定政権の樹立を要請するのではないか?との見方が多いようだ。

 しかしながら、ギリシャの財政再建は極めて困難な作業だ。欧州連合(EU)はギリシャが3年間の追加金融支援を受けることができれば、債務減免がなくても債務を持続可能な状態に維持できると分析している。


 債務が持続可能な状態になるだけでは十分ではない。2012年にギリシャ救済の条件として設定した公的債務の管理目標(公的債務を国内総生産対比で2015年推計の172.8%から2020年までに124%に下げ、2022年に110%を下回る水準にすること)をギリシャは達成することが求められる。

 ただし、EUの予測では、ギリシャが改革案を実行しても債務比率を2020年までに国内総生産対比で124%に下げることは不可能とされている。では、一体何のための改革案なのか?ギリシャ政府が反対する理由がなんとなくわかるような気がする。《MK》

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