【中国の視点】ギリシャ危機:最善策を見出せない、金融市場はまひ状態

2015年6月30日 08:12


*08:15JST 【中国の視点】ギリシャ危機:最善策を見出せない、金融市場はまひ状態
ギリシャの債務不履行(デフォルト)懸念の高まりを受け、同国内で取り付け騒ぎが発生。今月27日一日だけで5億ユーロ(約675億円)が引き出され、35%のATMは一時現金が枯渇したと報じられている。混乱を避けるため、銀行及び株式市場は29日に同時休止した。

また、国際通貨基金(IMF)など支援者側が提示した改革案の受け入れ賛否を問う国民投票の実施日は7月5日となり、IMFに対する債務(15億ユーロ)返済期限(6月30日)の後になるため、ギリシャのデフォルトはほぼ確実だとみられている。

調査によると、IMFなどが提示した改革案を受け入れる意向を示したギリシャ国民は反対派を上回っているという。一方、アレクシス・ツィプラス首相は国民の反対を呼び掛けている。

中国の専門家は、欧州中央銀行(ECB)は7月1日にギリシャへの緊急流動性支援(ELA)を見直す方針で、ギリシャが強行姿勢を継続した場合、ELAが止められる可能性も否定できないとの見方を示した。欧州連合(EU)はすでにギリシャの離脱を前提にしており、ギリシャのEU離脱がもはや最重要問題ではなくなっていると指摘した。

また、専門家は、今後のギリシャ危機の解決策について、最善策を見出すことが困難だと強調。EUの離脱決定あるいはEUに留まってもギリシャの金融混乱が当面続くと予測した。債権者の提案を受け入れ、構造改革を着実に実施していく道しか残されていないとの見方を示した。なお、混乱を避けるため、ギリシャ政府は1日あたりの引出上限を60ユーロに設定している。《ZN》

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