5月の百貨店売上高プラス6.3%、ついに消費増税の反動減から抜け出したか
2015年6月25日 11:20
日本百貨店協会によると、2015年5月の売上高は4886億円あまりで、前年同月を6.3%上回った。売上高は2ヶ月連続で前年実績を回復。14年4月の消費増税後は「駆け込み需要」の反動が大きく、ほとんどの百貨店が売上減に苦しんだ。が、その反動減の分、今(2015)年に入ってからは前年実績を上回りやすくなったともいえる。
日本を訪れる外国人観光客が年間1000万人を超えるようになったこともあり、インバウンド消費の効果も続いている。「消費増税」という特殊要因を除いた一昨年と比べても、全国の百貨店売上高は+1.8%で、都市部を中心に好調な店舗が目立つ。
三大都市圏の売上高をみると、売上高の最多を占める東京は「1303億円」で、前年同月比+11.6%、名古屋は+8.1%、大阪も+8.4%と、堅調に推移した。伸びが最も大きかったのは、やはりというべきか、インバウンド効果の大きい東京だった。
地方百貨店も、前年の消費増税による落ち込みから少しずつ抜けだそうとしている。全国10都市以外のエリアでは、北海道地方が-1.2%だった以外は、すべての地方で2~4%台のプラスだった。14年の反動減が大きかったという特殊要因はあるものの、各社、催事を増やすなどして集客に力を入れている。
商品別では4月に続き、「衣料品、身のまわり品、雑貨、家庭用品、食料品」の主要5品目すべてが前年実績を上回った。主力の衣料品は、前年より休日が2日多かったことや、好天に恵まれたことから、盛夏物を中心によく売れた(衣料品は全体的に3%増)。ブランドのカバンや財布、小物などの「身のまわり品」+9.8%、株高や消費マインドの向上、インバウンド効果などを背景に「化粧品」も+25.2%と、大きく伸びている。
高級時計などの「美術・宝飾・貴金属」は、前年5月の反動減が大きかったことから、今年5月は+38%と、4割近く売上が伸びた。一方で、百貨店オリジナルのPB(プライベートブランド)商品も、売れ行き好調だったようだ。PB商品は利益率が高いため、競争の激しい百貨店各社にとっては福音にもなる。
訪日外国人による売上高は、中国や韓国、タイを中心とするASEAN諸国からの旅行客が大きく伸びた。「購買客数」は前年同月比246.3%増、売上高も過去最高の伸びとなる266.4%増を記録している。(編集担当:北条かや)