NYの視点:ユーロ・ドル、パリティ予測が再燃

2015年6月25日 07:08


*07:10JST NYの視点:ユーロ・ドル、パリティ予測が再燃

欧州中央銀行(ECB)が3月に量的緩和(QE)を開始して以降、ドイツなど欧州の債券利回りが大幅に上昇したためユーロは反発していた。ドイツの連邦債の10年物の利回りがマイナスになる手前から定評のある債券ファンドマネジャーが、「世紀の取引き」とドイツ連邦債の売却を進めたことも欧州債券利回りの上昇につながりユーロ買いの一因となったと考えられる。一方で、ECBのQEプログラムの中で購入される証券の期間は平均で8年前後だが、イタリアやスペインの中央銀行は比較的長期物の証券の購入を進めた一方、ドイツ連銀が短期物の証券購入に終始したことがユーロの反発要因となったとの見方もある。ギリシャ情勢の不透明感に加え、欧州中央銀行(ECB)による量的緩和(QE)への信頼がくずれ、ユーロが対ドルで1.0ドルを目指すとの予測も再燃した。

米国経済の成長が進む一方で、一部で停滞が存続するとしながらもパウエルFRB理事は、早くて9月に利上げを開始する条件がそろったとし年内に2回の利上げを予想している。利上げのペースは以前に予想されていた水準からさらに遅くなる可能性が強まったものの、連邦公開市場委員会(FOMC)が年内に利上げを開始するとの見方は根強く、ドル買い要因となっている。

欧州中央銀行(ECB)は量的緩和(QE)プログラムを計画通り2016年9月まで継続する公約をしている。ギリシャが万が一、ユーロ圏離脱、デフォルト(債務不履行)に陥った場合、あるいは資本規制を導入するなど、混乱がさらに広がった場合に、ECBはQEを拡大する必要性が出てくる。ユーロ売りにさらに拍車をかけることになる。《NO》

関連記事

最新記事