中国:自動車業界の独禁法運用強化へ、並行輸入車の保護を検討

2015年6月24日 11:19


*11:20JST 中国:自動車業界の独禁法運用強化へ、並行輸入車の保護を検討
中国政府が自動車業界に対する独占禁止法の運用強化に乗り出す。「独禁法」運用ルールを巡って、自動車業界に特化したガイドラインの策定にすでに着手した。その重要内容の一つになると言われるのが、並行輸入車市場の保護。中国の関係者の間では、「外資自動車メーカーが中国並行輸入車マーケットの発展を阻害している」との批判が出ている。毎日経済新聞が24日までに伝えた。
一部のグローバル自動車大手は、足元で名目上、補正用部品市場を開放している。しかし実際は、価格を高く設定するなどして部品の自由な流通を妨害。これが結果的に、中国並行輸入車市場のアフターサービスの質に直接影響をもたらしているとの見方がある。ガイドラインでは、こうした行為に対する独禁法違反の境界線を明確に示す内容が盛り込まれる見通しだ。
この背景にあるのは、今年2月に上海自由貿易試験区(自貿区)で解禁された自動車並行輸入試験プログラムの難航だ。同試験プラグラム下で上海から並行輸入された海外車の販売は、いまでも伸び悩んでいる。アフターサービスを付加することによって、従来の価格メリットが削がれているという。補正用部品の入手困難がこの問題に拍車をかけていると嫌疑をかけている。
外資が中国の自動車市場で圧倒的シェアを確保するなか、中国当局は昨年以降、独禁法に基づく外資系企業への調査を強化。完成車や部品の販売で独禁法違反に抵触したと主張し、独フォルクスワーゲン(VW)や独メルセデス・ベンツ、米クライスラー、日本自動車部品メーカーに対して、相次いで制裁金を科した。

【亜州IR】《ZN》

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