「機会あれば転職する」新入社員増加「資格取得」「管理職こだわらない」声も
2015年6月24日 11:47
現在の新入社員は、会社に定年まで残ると考える人が増える一方で、いつ転職してもいいと考える人も増えている「二極化状態」にあることが分かった。
新入社員668名に「仕事が自分に合わないときはどうするか」と尋ねたところ、例年どおり「どんな仕事でも一生懸命やる」(70.6%)が最も高くなったものの、昨年より6.3 ポイント低下し減少傾向に。一方「好きな仕事なら一生懸命やるが、嫌いな仕事はそこそこに」(9.5%→12.7%)、「上司と話し合ってその仕事を変えてもらう」(7.4%→10.0%)といっ「回避タイプ」は昨年より増加した。
「社会人としてどのような道を進みたいか」の質問には、「いろいろな仕事を経験したいが、管理職にはこだわらない」(33.8%)が最も多いが4年連続で減少中。ついで「いろいろな仕事を経験し、部下を持つような管理職になりたい」(25.0%)、「一つの分野を勉強し、その道の専門職になりたい」(22.2%)。会社でのポジションを詰めたいという人もいれば、会社にこだわらず自己の専門性を磨きたいという人もいるようだ。
「自分自身の技能や能力アップのために、どのような勉強が必要か」と尋ねたところ、「資格を取得する」(44.2%)が最も多く、次いで「パソコンスキルを向上させる」(34.2%)、「セミナーに参加する」(26.7%)、「外国語を勉強する」(23.0%)等。
「定年まで勤めたいか」を尋ねたところ「そうしたい」(57.3%)が最も多く、4年連続で増加中ではあるものの、一方で「他によい仕事があれば転職する」も2年連続で増加中(14.8%→15.9%→17.4%)。
男女別では、男性の方が割合は高いものの男女ともに「他によい仕事があれば転職する」が多く“転職志向”は上昇傾向に。また、女性では「結婚したらやめる」(11.1%)が前年比+1.1ポイントと4年ぶりに微増となり「子供ができたらやめる」(15.0%)は3年連続で減少している。
終身雇用という言葉が聞かれなくなって久しいが、新入社員たちは勤務先に安定を求める一方で何かあったらいつでも転職できるようにとの準備も怠たらないようにしているのかもしれない。調査対象はしがぎん経済文化センター開催の新入社員研修に参加した新入社員。有効回答数:668人うち男性348人、女性320人。(編集担当:堺不二子)