パナ、東京五輪までに電子マネー決済端末を拡大
2015年6月22日 12:35
総合電機メーカー大手のパナソニック<9752>は19日、クラウドと連携して電子マネー決済などに使用する新端末を、今秋より国内で発売すると発表。それにより、2020年に開催される東京オリンピックまでに電子マネーの決済端末の累計販売台数を、今の2倍に相当する200万台にまで拡大させるとの目標を掲げた。
また電子マネーの決済端末に関わる売上高も、今の2倍に相当する300億円を目指すとしている。パナソニックは海外発行のカードが利用できるようにするなど、近年増加傾向にある訪日外国人向けの製品を充実させていくとしている。
これまでの電子マネーの決済端末では、1台ごとに内部に決済機能が搭載していたが、今回パナソニックが発売を発表した新端末では、クラウド上で決済やデータ管理を行うことができるようになる。同社はこれをクレジットカード会社や飲料メーカーなどに売り込んでいくとしており、利用側は決済端末を一元的に管理できるようになるほか、運用コストを削減することもできる。
電子マネーの決済端末とは、支払い時に電子カードを読み取る機器のことで、パナソニックは2003年にJR東日本<9020>のIC乗車券「suica(スイカ)」で参入をはたし、その後も各交通会社に採用され、07年にはイオン<8267>やセブン&アイ・ホールディングス<3382>採用されたことにより一気にシェアを拡大した。その結果、同社は同日に、03年9月の販売開始以来、15年5月までの約11年8ヶ月で販売累計100万台を達成したと発表。国内シェアは7割を突破した。
そしてパナソニックによれば、国内で使用されている電子マネーの決済端末は130万台程度で、東京オリンピックが開催される20年には、海外の決済サービスに対応した端末などが伸長し、台数は2倍程度になるとみられている。こうしたことから同社は、今後もゲーム機等、電子マネーが使用可能なインフラの拡大に加え、急増する訪日外国人、新たな決済手段の出現などの決済環境の変化に対応する新製品を開発していくとの方針を示している。(編集担当:滝川幸平)