NYの視点:6月のFOMCを受けて

2015年6月19日 07:05


*07:05JST NYの視点:6月のFOMCを受けて

6月の連邦公開市場委員会(FOMC)を受けて、ゴールドマンサックスのエコノミストは利上げの開始時期の予想を9月から12月に先送りした。顧客ノートの中で、明らかにした。同社はFOMCが6月の会合で、利上げに必要な条件が満たされつつあると9月の利上げに向けて明確なシグナルを示すと見ていた。ところが、6月会合では予想に反し、利上げに向けた基礎づくりを全くしなかったことを理由として挙げた。会合後の記者会見で、イエレンFRB議長は年内の利上げに関し、「利上げの条件はまだ達成していない」「年内の利上げの可能性はあるが、確固たる保証なし」と利上げに慎重な姿勢を示したほか、「利上げ後も異例な緩和策が維持される」と繰り返した。

7名のFOMCメンバーは年内のFF金利誘導目標見通しで、ゼロまたは一度の利上げを予想している。おそらく、イエレンFRB議長もこのグループに含まれるだろうと同社は見ている。ただ、インフレが今後数か月間で予想以上に上昇、または、金融状況が急激に緩和した場合には9月に利上げを開始する確率が上昇する可能性は十分にあるようだ。ギリシャと債権者の協議が暗礁に乗り上げたことも利上げが遅れる理由になると指摘している。同社の予想は1年に1ベーシスポイントの利上げペースで、2016年末には1.25−1.5%、2017年末は2.25−2.5%を予想している。いずれもFOMCスタッフの見通し16年末1.625%、17年末2.875%を下回る。

一方、シティグループは利上げ開始を従来の12月予想から9月予想に前倒し。エコノミストは、経済が緩やかに成長している証拠は中期的に生産のギャップを一段と埋めるに十分で、現在の強い経済指標が続いた場合、9月が利上げのタイミングとしては「最も適切だ」と説明した。米国の利上げのタイミングは依然不透明。ドルは当面、方向感を探る展開が継続すると見られる。《NO》

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