中国の「一帯一路」戦略が加速、沿線諸国のインフラ建設740兆円規模
2015年6月18日 08:34
*08:38JST 中国の「一帯一路」戦略が加速、沿線諸国のインフラ建設740兆円規模
中国政府がアジア・欧州の経済交流を推進する「一帯一路」戦略の展開を加速している。「一帯一路」の沿線諸国は60カ国余りに及び、インフラ建設の整備を急ピッチで進めている状況だ。投資総額は6兆米ドル(約740兆円)に達し、今年下半期にも「一帯一路」に絡むインフラ建設ラッシュが最高潮を迎える見通し。複数の中国メディアが17日付で伝えた。
「一帯一路」とは中国から中央アジアを経て、欧州に至る「シルクロード経済ベルト(一帯)」と東南アジア、インド、アフリカ、中東を経由して、欧州につながる「21世紀版海のシルクロード(一路)」の陸海の2つのルートを指す。
この壮大なプランの実現に向けて、中国政府は現在、「一帯一路」の沿線諸国・地域と共同で、6大経済圏の構築を目指している。具体的には、◆新ユーラシア・ランドブリッジ、◆中国・モンゴル・ロシア経済圏、◆中国・中央アジア・西アジア経済圏、◆中国・インドシナ半島経済圏、◆中国・パキスタン経済圏、◆中国・インド・バングラデシュ・ミャンマー経済圏——。うち「中国・モンゴル・ロシア経済圏」の建設草案はすでに完成し、ロシアやモンゴルと協議を進めているという。なかでも交通インフラやエネルギーインフラ(原油・天然ガス運輸ルート、国境を跨いだ送電ルート、区域電力ネットワーク)建設プロジェクトが注目されている。
一方、中国国内でも「一帯一路」関連プロジェクトが進行中。国務院は34省市区に対し、今年10月までに「一帯一路」に絡むプロジェクト実施プランの策定を要求している。うち広東省は、インフラ設備、貿易、金融の分野で、香港・マカオや周辺省・区と協力し、沿線諸国・地域との提携を推進する計画を打ち出した。なかでも優先的に進めるプロジェクトは68件。インフラ建設、エネルギー資源、製造業、サービスなど投資総額は554億米ドル(約6兆8403億円)に上る見通しだ。また江西省、陝西省、福建省、新疆ウイグル自治区、四川省などもすでに国務院に実施プランを提出しているという。
【亜州IR】《ZN》