H-IIBロケット5号機、8月16日に打ち上げへ 「こうのとり」5号機を搭載

2015年6月10日 08:35

 三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月9日、宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機(HTV5)を搭載したH-IIBロケット5号機の打ち上げについて、2015年8月16日に打ち上げると発表した。H-IIBによる「こうのとり」の打ち上げは今回で5機目で、4号機以来約2年ぶりとなる。

 打ち上げ時刻は現時点で22時01分ごろに設定されているが、より正確な時刻は、打ち上げ直前の時点における、国際宇宙ステーション(ISS)の軌道によって決定される。

 また打ち上げが可能な予備期間として、8月17日から9月30日までが確保されている。この間の打ち上げ日、時刻については、ISSの運用に係る国際間の調整によって決定されることになる。

 H-IIBはJAXAと三菱重工が開発したロケットで、主に宇宙ステーション補給機「こうのとり(HTV)」を打ち上げるために造られた。当時すでに運用に就いていたH-IIAロケットを基に、より打ち上げ能力を増やすため、第1段ロケット・エンジンを2基装着し、さらにタンクを太くして容積を増やすなどといった改良が加えられている。

 1号機は2009年9月11日に打ち上げられ、これまでに4機すべてが成功を収めている。1号機から3号機まではJAXAが運用を担当していたが、4号機からは三菱重工が担当しており、H-IIAと同じ「商業ロケット」として扱われている。

 5号機では、前号機までと比べ、画像圧縮伝送装置の搭載数が従来の2個から1個へと少なくなっているなど、H-IIAのコストダウン策の一環として適用されているのと同様の改良が施されている。

「こうのとり」はJAXAと三菱重工などは無人補給船で、ISSに食料品や水、衣類、実験装置などを輸送することを主な目的としている。搭載可能な補給物資の質量は約6tで、またISSから発生した廃棄物を積み込み、大気圏に再突入して機体もろとも処分する役目も持つ。

「こうのとり」はH-IIBでしか打ち上げられないため、H-IIBと同じく今回が5機目の打ち上げとなる。2013年8月4日に打ち上げられた4号機以来、約2年ぶりの打ち上げとなる。

 なお、「こうのとり」5号機の搭載物などの詳細は、今後発表するとのことである。

■JAXA | H-IIBロケット5号機による宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機(HTV5)の打上げについて
http://www.jaxa.jp/press/2015/06/20150609_h2bf5_j.html

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