6月から「悪質な自転車運転」に講習義務化、ヒヤリハットはどのくらい起きている?

2015年6月8日 22:00

 ここ数年、自転車事故で数千万円の賠償金支払いを命じる判決が増えている。自転車事故の総件数は減少傾向にあるが、歩行者相手の事故は増加傾向だ。スマホを見ながら、イヤホンを聞きながらなど、運転マナーも社会問題化している。

 こうした状況を何とかしようと、6月1日には、「悪質な自転車運転者」に対して講習を義務付ける改正道路交通法が施行された。警察庁のデータでは、昨年1年間に交通事故で死亡したり、ケガをしたりした自転車運転者10万6427人のうち、6割以上が信号無視や酒気帯び運転など「道交法違反」。“軽車両”とはいえ、自転車は立派な車だ。無謀な運転をすれば、人の命を奪いかねない。

 保険クリニックを運営する㈱アイリックコーポレーションが今年4月、20~60歳の男女500名を対象にウェブアンケートを実施したところ、自転車を利用する人のうち、約77%が「自転車に乗っていてヒヤリとした経験がある」と答えた。衝突などの事故を起こした経験がある人も、約2割いることが分かった。

 アンケートでは、全体の56.2%が「自転車を利用している」と回答。どれくらいの頻度で使うか尋ねたところ、約7割(67.3%)が「週1日以上」と答えた。利用目的で圧倒的に多かったのは「買い物」だが、「通勤」や「通学」に利用している人も目立つ。運動やダイエットとの回答もあった。

 そんな自転車利用者に対し、「自転車に乗っていてヒヤリとしたことはありますか?」と聞いたところ、76.5%が「ある」と回答。内容を見ると、車や歩行者、別の自転車とぶつかりそうになったという人が8割と最多を占めた。「ヒヤリ体験」とはいえ、実際に衝突や追突などの「事故」を起こしてしまった人も19%いる。

 自転車事故の賠償金を保障する保険もあるが、そうした保険に加入していない人を対象に「自転車事故にも対応できる保険に加入するか」聞いたところ、55%が「加入したくない」と回答した。人々の意識は、まだ低い。兵庫県など、「自転車の購入者に保険の加入を義務付ける」条例を制定する自治体も出てきているが、こうした動きがどこまで広がるのか注視したい。(編集担当:北条かや)

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