中国:大気汚染は依然深刻、都市9割が基準未達=環境リポート
2015年6月8日 08:39
*08:39JST 中国:大気汚染は依然深刻、都市9割が基準未達=環境リポート
全国161カ所の都市群で、大気基準を満たすのは16都市に過ぎない。9割に相当する145都市が基準未達。環境保護部が4日に発表した環境リポート「中国環境状況公報2014年版」で、大気汚染の深刻さがあらためて浮き彫りとなった。
観測は全国の338都市、1436カ所で実施された。大気中の二酸化硫黄、二酸化窒素、PM10(直径10ミクロン以下の粒子状物質)、PM2.5(微小粒子状物質)などの濃度を測定 。大気の質が12年に導入された「環境空気質量標準」(新大気基準)を満たした16都市は、中国南部と西部に集中している。うち広東省が6都市(深セン、珠海、恵州、湛江、汕尾、雲浮)で最も多い。雲南省が3都市(昆明、曲靖、玉渓)、福建省と海南省が2都市ずつ(福州、泉州、海口、三亜)。
一方、未達の145都市では、ワースト10を「京津冀」エリアがほぼ独占。なかでも河北省が7都市(保定、石家荘、唐山、廊坊、ケイ台、邯鄲、衡水)に上り、大気の質の悪さが目立った。
状況が深刻な「京津冀」エリアで、PM2.5は依然として主な汚染源となっている実態も分かった。主要都市の年間平均値は、北京が1立方米当たり89.5マイクログラム、天津が83マイクログラム、石家荘が124マイクログラムに達した。いずれも前年に比べ低下したものの、基準値(35マイクログラム)を大きく超過している。
「中国環境状況公報」は、環境保護部の主導で、国土資源部、気象局など12の機関が共同で作成。大気、河川、海洋、騒音、汚染物排出、土壌、森林、草原、耕地など13項目にわたり、中国の環境状況を分析・評価した。
【亜州IR】《ZN》