【株式市場・今週の展望】この高値圏ならSQ週も平和裡に通過できる?

2015年6月7日 21:34

 今週、6月第2週(6月8日~12日)は5日間の取引。世界の株式市場の休場日は、8日はオーストラリアが現エリザベス2世女王の誕生日で休場する。本当の誕生日は4月21日。12日はロシアが「ロシアの日」で休場。1990年にロシア共和国(当時)が主権宣言を採択してソ連から事実上独立した日。フィリピンが「独立記念日」で休場。1898年に独立運動の指導者エミリオ・アギナルド将軍がスペインからの独立を宣言した日。アメリカの支配から完全に独立できたのは1946年。

 国内の経済指標は、8日の景気ウォッチャー調査がまず注目。5ヵ月連続で改善しているが、5月の「猛暑効果」で改善がさらに続くか? 10日の国内企業物価指数も見逃せない。11日のオフィス空室率は4月は久々の上昇(悪化)だったが、1ヵ月だけの踊り場で済ませられるか? 12日は3ヵ月に一度の「メジャーSQ」の日。

 8日は4月の国際収支、1~3月期の国内総生産(GDP)改定値、5月の景気ウォッチャー調査、9日は5月のマネーストック、消費動向調査(消費者態度指数)、10日は5月の国内企業物価指数(PPI)、4月の機械受注統計、11日は4~6月期の法人企業景気予測調査、5月の東京都心部オフィス空室率、4月の産業機械受注額、12日は4月の鉱工業生産指数確報値・稼働率指数、第三次産業活動指数が、それぞれ発表される。

 9日に石破地方創生大臣が日本記者クラブで講演する。10日に日銀の佐藤審議委員が山梨県甲府市で講演し、その後で記者会見を行う。同じ日にエルニーニョ監視速報も発表される。涼しい夏だと景気を冷やす。12日は指数先物もオプション取引も全て清算値を算出する「メジャーSQ算出日」。

 主要企業の決算発表は少ない。8日は学情<2301>、LIXILG<5938>、9日はアスカネット<2438>、ロック・フィールド<2910>、佐藤食品工業<2923>、イーブックイニシアティブ<3658>、シーイーシー<9692>、丹青社<9743>、10日は東建コーポレーション<1766>、ビットアイル<3811>、TYO<4358>、ドクターシーラボ<4924>、東京楽天地<8842>、11日はテンポスバスターズ<2751>、アヲハタ<2830>、稲葉製作所<3421>、イハラケミカル工業<4989>、東京ドーム<9681>、12日はファーマフーズ<2929>、神戸物産<3038>、丸善CHIHD<3159>、メガネスーパー<3318>、日東製網<3524>、モルフォ<3653>、エイチーム<3662>、フリービット<3843>、gumi<3903>、3Dマトリックス<7777>、TASAKI<7968>、ナイガイ<8013>、日本テレホン<9425>が発表する。次回の新規IPOは来週16日。6月は10件あり、25日に3件が集中する。

 海外の経済指標は11日のアメリカの小売売上高が、寒すぎた冬からどれほど立ち直ったか注目。良い数字が出れば景気減速懸念が薄らぐが、良すぎると利上げ懸念が再燃。

 8日はドイツの4月の鉱工業生産指数、貿易収支、フランスの4月の鉱工業生産指数、中国の5月の貿易収支、アメリカの5月の労働市場情勢指数(LMCI)、9日は中国の5月の消費者物価指数(CPI)、生産者出荷価格指数(PPI)、英国の4月の貿易収支、ユーロ圏の1~3月期域内総生産(GDP)改定値、アメリカの4月の卸売在庫、卸売売上高、

 10日はフランスの4月の鉱工業生産指数、英国の4月の鉱工業生産指数、アメリカの5月の財政収支、エネルギー省週間石油在庫統計、11日は中国の5月の小売売上高、工業生産高、都市部固定資産投資、フランスの5月の消費者物価指数(CPI)、アメリカの5月の小売売上高、輸出入物価指数、12日はユーロ圏の4月の鉱工業生産指数、アメリカの5月の卸売物価指数(PPI)、6月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値が、それぞれ発表される。

 8日までドイツ・エルマウでG7サミットが開かれる。8日にサンフランシスコでアップルの2015年の世界開発者会議(WWDC)が開かれる。10日にオーストラリア準備銀行のスティーブンス総裁が講演を行う。10日はタイ、11日はニュージーランドと韓国で中央銀行の会合が開かれ、政策金利が発表される。アメリカ主要企業の決算はめぼしいものはない。

 6月2日、日経平均の「昭和以来の連騰記録」は12でストップした。連勝するとスポーツの選手は自信がつくが、連騰すると株式市場は買われすぎで需給が悪化する。12連騰中に裁定買い残は積み上がり、11連騰目の5月29日時点の裁定買い残は3兆8357億円で、連騰が始まった5月15日に比べると7892億円増加した。一方、信用倍率は5月15日の3.94から3.32に低下した。

 東証が発表した5月25~29日の投資主体別株式売買状況によると、外国人は4週連続の買い越しで買越額は3970億円。個人は4週連続の売り越しで売越額は4658億円、18日設定の大型追加型投資信託の影響なのか信託銀行が9週ぶりに買い越しに転じていたが、連騰の主役はやはり外国人投資家の先物、現物の大量買いだったことが裏付けられた。ちなみに今年3月末現在の外国人持株比率は日経平均採用225銘柄全体で35.3%もあり、過去最高水準にある。

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