14年のゼネコンの他社牽制力ランキングトップは清水建設
2015年6月7日 17:38
パテント・リザルトは、独自に分類したゼネコン業界の企業を対象に、2014年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「ゼネコン業界 他社牽制力ランキング2014」をまとめた。集計の結果、2014年に最も引用された企業は、清水建設の459件、次いで鹿島建設の352件、大成建設の345件となった。
ゼネコン業界の「他社牽制力ランキング2014トップ10は、1位が清水建設で459件、2位が鹿島建設で352件、3位が大成建設で345件、4位が大林組で330件、5位が、竹中工務店で287件、6位がフジタで150件、7位が熊谷組で106件、8位が西松建設で93件、9位が戸田建設で86件、10位が三井住友建設で84件となった。
1位の清水建設の最も引用された特許は、富士化学との共同出願である「基板上に諸機能を有する膜を形成するための無機高分子化合物」に関する特許(特願2000-326435)で、後発の特許5件の審査過程において拒絶理由として引用されており、この5件はいずれも住友ゴム工業の特許となっている。
このほかには「使用していないトンネルや配管などを撤去して埋め戻すための装置」に関する特許(特許第3581619号)や「二重床の吹出孔から室内に給気する全面床吹き出しシステム」に関する特許(特許第5051577号)などを引用件数の多い特許として挙げている。2014年全体を通じて清水建設の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は大成建設となっており、大林組、竹中工務店と続いている。
2位の鹿島建設の最も引用された特許は、コマツとの共同出願である「掘進機(特許第3154405号)」で、後発の特許4件の審査過程において拒絶理由として引用されている。この4件はいずれも奥村組の特許となっている。このほかには「津波対策構造(特許第4607035号)」や、アルモ設計、新晃工業との共同保有である「データセンターのコンピューター室用空気調和機」に関する特許(特許第5543181号)などを引用件数の多い特許として挙げている。2014年全体で、鹿島建設の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は大成建設となっており、大林組、清水建設と続いているとした。
3位の大成建設の最も引用された特許は、「レーザー光による高強度繊維の切断方法及び装置(特願平4-299701)」で、後発の特許4件の審査過程において拒絶理由として引用されている。企業別には三菱レイヨンと東レの各2件となっている。
このほかには、大見忠弘氏(東北大学名誉教授)、熊谷組、高砂熱学工業、日立製作所との共同保有である「気体に加湿、除湿、昇温、冷却などの空調プロセスを行う高効率気体温湿度調整用装置」に関する特許(特許第4521847号)などを引用件数の多い特許として挙げている。2014年全体を通じて、大成建設の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は大林組となっており、鹿島建設、清水建設と続いているとしている。(編集担当:慶尾六郎)