東大とANA、「おもてなし」の科学的な研究に着手―習得プロセスや予測行動のモデル化目指す

2015年6月7日 18:06

 東京大学とANA総合研究所は、『おもてなし』の科学的理解に向けた共同研究を開始した。

 『おもてなし』に代表される日本の「顧客の接遇」は、2015年・世界経済フォ-ラムの『旅行・観光競争力指数』において世界一となり、あらためて日本の『おもなてし』の力が評価された。また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックや観光立国の実現に向け、日本ならではの『おもてなし』に注目が集まる一方で、『おもてなし』の概念は数値や指数などで表現する事が困難であり、非常に抽象的な理解に留まっている。

 今回の共同研究では、『おもてなし』の源泉を相手に対する“気づき”と仮定し、3年連続で英国SKYTRAX(スカイトラックス)社が運営するエアライン・スター・ランキングで最高評価を獲得しているANAの客室乗務員の機内における行動やチームワーク、客室乗務員間の会話などを、サービス工学の研究手法を用いて、『気づき』の能力習得プロセスや様々な場面での予測行動などを科学的に分析し、モデル化することを目指す。研究期間は2015年5月からの1年間の予定となっている。

 この研究を通して得られる学術成果は、『おもてなし』の強化に取り組む国内の接客業や他の様々な分野において活用されること、そして『おもてなし』がジャパンブランドとして世界により一層強く発信されることが期待されている。

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