原作・こうの史代、長編アニメ映画『この世界の片隅に』戦時下に生きる人々を通して描く“毎日の尊さ”
2015年6月4日 14:15
長編アニメーション映画『この世界の片隅に』が、2016年秋、全国の劇場で公開される。
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時は第二次世界大戦中、昭和19・20年の広島県・呉。家族、ごはん、スケッチブック……絵を描く事が好きな主人公すずが生きたのは、ささやかな毎日だった。本作は、どんな状況に置かれていても、“毎日”を生きていく人間のすばらしさを描く長編アニメーション作品だ。
原作は、第13回文化庁メディア芸術祭で優秀賞受賞をした、こうの史代の同名漫画作品。監督を務めるのは、『マイマイ新子と千年の魔法』(第14回文化庁メディア芸術祭 優秀賞受賞)を手掛けた片渕須直。
約4年前より片渕須直監督によってアニメ化の準備が進められてきた本作は、本格的に制作を始めるにあたり、スタッフの確保やパイロットフィルムの制作に賄う資金を調達する目的で、クラウドファンディングサービス「Makuake」にて資金調達を敢行。合計3,374人の支援者から3,622万4,000円の資金を得て、正式にアニメ映画化が決定した。
戦時下の日常を力強く、そして精一杯生きる主人公すずの姿は、日本中に、静かで、確かな勇気を与えてくれるだろう。
【あらすじ】
主人公のすずは、広島市江波で生まれた絵が得意な少女。見知らぬ若者の妻になるために、20キロ離れた町・呉に嫁ぐ。ときに昭和19(1944)年。18歳で一家の主婦となったすずは、あらゆるものが欠乏していく中で、日々の食卓を作り出すために工夫を凝らす。だが、戦争は進み、日本海軍の根拠地だった呉は、何度もの空襲に襲われる。庭先から毎日眺めていた軍艦たちが炎を上げ、市街が灰燼に帰してゆく。すずが大事に思っていた身近なものが奪われてゆく。それでもなお、毎日を築くすずの営みは終わらない。
【作品情報】
長編アニメーション映画『この世界の片隅に』
公開時期:2016年秋 全国の劇場で公開予定
原作:こうの史代(『夕凪の街 桜の国』)
監督・脚本:片渕須直
アニメーション制作:MAPPA
プロデューサー:丸山正雄(MAPPA)、真木太郎(GENCO)