NYの視点:米5月雇用統計、慎重ながら楽観的見方

2015年6月4日 07:12


*07:12JST NYの視点:米5月雇用統計、慎重ながら楽観的見方

米国の年内の利上げの可能性を探る上で鍵を握る労働市場の状況に引き続き注目が集まる。3月の雇用統計が予想外に低調な結果となったほか1-3月期の国内総生産(GDP)が昨年に続きマイナス成長に落ち込んだため金融先物市場での6月の利上げ確率はゼロ%となった。連邦公開市場委員会(FOMC)は利上げの条件として、1)インフレが2%の目標水準に上昇する自信が強まることと、2)雇用市場の一段の回復を挙げている。雇用の改善は年内の利上げを正当化させドルを支援する。

民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の5月分は前月比20.1万人増と、2月以来の20万人を回復。市場予想の20万人増も上回った。同指数は米国労働省が発表する米雇用統計と最も相関関係が強いと注目される。米5月雇用統計への期待も強まった。一方で、米国経済で70%が消費を占めるため重要視されているサービス業の雇用は逆に減少。異例な寒波で落ち込んだ1月以来の低水準となった。このため、雇用統計には慎重ながら楽観的な見方が広がっている。


■5月雇用統計の先行指標

・ADP雇用統計
前月比+20.1万人(予想:+20.0万人、4月:+16.5万人← +16.9万人)

・ISM製造業景況指数
雇用:51.7(4月48.3)

・ISM非製造業景況指数
雇用:55.3(4月56.7)

・NY連銀製造業景況指数
現状

 雇用(現状): 5.21(4月9.57)

 週平均就業時間:-2.08(4月-4.26)
6か月予想

 6か月先雇用:16.67(4月22.34)

 週平均就業時間:-1.04(4月-1.06)

・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
現状

 雇用(現状):6.7(4月11.5)

 週平均就業時間:-5.6(4月3.4)
6か月先

 6か月先雇用:21.5(4月20.6)

 週平均就業時間:9.3(4月2.4)

・リッチモンド連銀製造業景況指数
雇用(現状):3(4月7)

 週平均就業時間:6(4月4)

 賃金::20(4月9)
6か月先

 6か月先雇用:18(4月15)

 週平均就業時間:12(4月12)

 賃金:33(4月28)

・消費者信頼感指数
雇用(現状)

 十分:20.7(4月19.0)

 不十分:52.0(4月55.1)

 困難:27.3(4月25.9)
雇用(6か月先予想)

 増加:14.6(4月13.8)

 減少:15.5(4月16.4)

 不変:69.9(4月69.8)

・失業保険申請件数

    保険申請件数 前週比 4週平均 継続受給者数
05/23/15  282,000  7,000 271,500 n/a
05/16/15  275,000  11,000 266,500 2,222,000
05/09/15  264,000  -1,000 271,750 2,211,000
05/02/15  265,000  3,000 279,500 2,223,000
04/25/15  262,000 -34,000 283,750 2,229,000
04/18/15  296,000  1,000 285,000 2,256,000
04/11/15  295,000  13,000 283,000 2,327,000
04/04/15  282,000  15,000 282,500 2,275,000

■市場予想
失業率:5.4%(4月:5.4%)
非農業部門雇用者数:前月比+22.7万人(4月+22.3万人)
民間部門雇用者数:前月比+22万人(4月+21.3万人)《NO》

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