米NPOのソーラーセイル実験機、CSVファイルが32MBを超えたため打ち上げから2日でフリーズ

2015年6月2日 18:44

あるAnonymous Coward 曰く、 惑星探査を推進する米NPOの惑星協会は20日、X-37Bのピギーバックとしてソーラーセイル実験機「LightSail-A」の軌道投入を成功させた。しかし、フライトソフトウェアのCSVファイルが32MBを超えるとクラッシュするというバグによって、22日以降通信途絶に陥っているという(惑星協会のブログSlashdot)。

 LightSail-Aは、来年打ち上げを予定している実験機「LightSail-1」の実現に向けた予備実験機で、軌道が低いため数週間で地球に落ちてしまうものの、その間に帆の展開や制御システムの検証などを行うことを目的としている。

 同機はLinuxベースのフライトソフトウェアを搭載しており、15秒ごとにbeacon.csvと呼ばれるファイルにテレメトリー情報を出力する設計となっていた。打ち上げ直後は順調にテレメトリーが送信されていたものの、この機体に搭載されていたソフトウェアには32MBを超えるCSVを扱うとクラッシュするという不具合が残っており、データ量が増えた結果、打ち上げ2日後に通信が途絶してしまったという。復旧にはフライトソフトウェアの再起動が必要だが、リモートからの再起動コマンドには応答がなく、今は宇宙線などにより運良く再起動することを期待するしかない状態だという。

 惑星協会は早くからソーラーセイルの実用化に向け着手しており、2001年より何度か実験機を打ち上げているが、廉価なロケットを使っては打ち上げが失敗するなど、なかなか成功には至っていない。今回はあくまで予備実験で本命の「LightSail-1」は現在Kickstarterで資金調達中ではあるが、次はうまくやってくれることを期待したい。

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