サラリーマンの勤務時間、過去最短に―シチズン調査
2015年6月1日 13:23
政府の後押しもあり、「ノー残業デー」や「朝型勤務」を推奨する企業が増えている。ワーク・ライフ・バランスを意識し、生産性の高い働き方をしようとの機運も高まってきた。こうした影響も少しはあるのか、シチズンが1980年から実施している「ビジネスマンの生活時間調査(2015)」の結果では、サラリーマンの「勤務時間」(8時間26分)が5年前に比べて13分減り、1980年の調査開始以来、35年間で最も短くなった。
リーマン・ショックや東日本大震災の影響で、残業カットの試みが進んだり、深夜残業禁止、朝型勤務推奨などの勤務制度が導入されたりしていることで、“働き方”の意識が変化しているのかもしれない。ただ、調査を始めた1980年の勤務時間は「8時間36分」だったので、長期的にみれば、10分しか短くなっていない。「ビジネスマンの生活時間調査」は2015年4月、全国の男性会社員400人を対象に、インターネットで実施。20~50代まで、それぞれ100人の回答者に対し、平日・休日の時間の使い方などを尋ねた。
平日の往復通勤時間は「1時間26分」で、80年調査の「1時間43分」から20分ほど短くなった。2000年には往復で「2時間」を超えていた時期もあったが、「職住近接がいい」という考えが広まってきたのかもしれない。
「睡眠時間」の平日は6時間9分だった。5年前から7分増となり、30年連続の減少傾向から増加に転じた。平日の勤務時間が減ることで、睡眠にも時間をかけることができるようになった、ということだろうか。一方、休日の睡眠時間は35年連続減の「6時間58分」で、はじめて7時間を切った。1980年調査では「8時間36分」だったので、現在と比べてずいぶん長かった印象だ。
興味深い点としては、平日の「身だしなみにかける時間」が、15年は「24分」と、80年の「13分」から約2倍に増えている点だ。休日も同様、身だしなみの時間は80年の「11分」から、15年は「23分」へと大きく増えている。男性会社員も、平日、休日にかかわらず容姿に気を使うようになったということだろうか。「時間の使い方」には、時代の趨勢が現れる。(編集担当:北条かや)