三菱重工、英国で洋上風力発電設備受注。デンマークのヴェスタス社
2015年5月31日 17:31
三菱重工業〈7011〉は5月19日、デンマークのヴェスタス社とともに、英国ランピオン洋上ウインドファームでの洋上風力発電設備V112-3.45を116基受注したと発表した。欧州最大級のエネルギー企業E.ON(エーオン)が進めるプロジェクトで、総出力40万キロワットに達する、過去最大規模の受注となる。2017年度第1四半期から据付を開始し、18年に試運転を完了する計画。
ランピオン洋上ウインドファームは、イングランド南東部サセックス州沿岸から13キロメートル沖合に立地される。
この事業は、英国政府主導で進められている大規模洋上風力発電プロジェクト「Round3」の最初の取り組みの一つとなる。年間60万トンのCO2削減効果があると推定されている。
現在、洋上風力発電設備の世界第1位はドイツのシーメンス・エナジー。これに挑むのが、第2位のヴェスタス社だ。同社は陸上風力発電設備では世界第1位で、同社の風力発電設備は73カ国で導入されている。ヴェスタス社はこの数年、英国とスウェーデンでのプロジェクトで発電設備の性能を高く評価され、今回の大型受注につながったとされている。
一方、三菱重工は1982年以来、4000機以上の風力発電設備を国内外に供給してきた。同社とヴェスタス社は、13年に洋上風力発電設備専業の合弁会社を設立することで合意した。
世界の洋上風力発電容量(12年)を見ると、英国がトップで、全世界の54%を占める2948メガワットに達している。これに続くのがデンマークの921メガワット(17%)、以下、中国、ベルギー、ドイツ、オランダと続いている。
洋上風力発電システムの市場は着実に拡大しており、富士経済は、20年には11年の10倍以上の約4.3兆円に拡大すると予測している。ヴェスタス社と組んで英国で過去最大規模の受注を獲得した三菱重工の存在感が高まりつつある。(編集担当:久保田雄城)