【中国の視点】ブラジル:痛み伴う財政再建を実施、支持率低下を覚悟

2015年5月26日 08:05


*08:06JST 【中国の視点】ブラジル:痛み伴う財政再建を実施、支持率低下を覚悟
ブラジルのルセフ政権(2期目)が痛み伴う財政再建に踏み切っている。◇Nelson Barbosa企画相は今月22日、今年度の財政支出を699レアル(約2兆7261億円)削減すると発表した。◇銀行など金融機関への所得課税が15%から20%に引き上げられる大統領令は、官報に公告された。◇ブラジル中央銀行が数回の利上げを実施し、基準金利であるセリック金利はこれまでの11%から13%に引き上げられた。ほかに、各政府部門の経費も半減させられる。

一方、ルセフ政権は連任してから、国営石油会社ペトロブラスをめぐる汚職疑惑に巻き込まれていたほか、成長鈍化やインフレ加速、財政赤字の拡大に直面し、まさに四面楚歌の状態に置かれている。また、財政支出の削減が中低所得層からの支持が得られなくなる可能性が高いため、ルセフ大統領は前に進むしかないと指摘された。

2014年のブラジルの成長率は0.1%まで鈍化し、15年の成長率はマイナス1.2%になると予測されている。ただ、ブラジルは金融緩和など景気刺激策に走った場合、ブラジル国債の格付けが再び引き下げられる公算が大きいため、安易なテコ入れ策に踏み切れない背景がある。

国際通貨基金(IMF)のラカルド専務理事はこのほど、ブラジルを訪問した後、ブラジルの財政再建計画を歓迎する姿勢を示した。一連の財政再建が2015年の成長目標1.2%の実現に寄与するとの見方を示し、16年、17年のブラジルの成長率は2%以上になると予測した。《ZN》

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