16年卒の就活生、10人に1人が「すでに内々定率あり」平均1.4社

2015年5月24日 17:13

 街では、リクルートスーツ姿の就活生をよく見かける。今年は経団連の指針変更で、就活のスタートが昨年までの「3年生の12月」から、「4年生の3月」へと後ろ倒しになった。選考(面接)の開始時期は、「大学4年の8月」に。短期化した採用スケジュールを前に、学生も企業も焦っている。が、経団連の決めたスケジュール変更を守るのはごく一部のみで、すでに実質的な選考に入っている企業も多いようだ。

 就職支援サイトを手がけるマイナビが、16年3月卒業見込みの全国大学4年生、大学院2年生に、「4月末」時点での内々定率を尋ねたところ、9.8%だった。平均保有社数は1.4社で、8割の学生は1社のみから内々定を得ている。今年は「広報活動開始」から2ヶ月しか経過していないが、すでに内々定を得た学生は約1割いる。

 文理男女別の比較でみると、最も内々定率が高いのは「理系男子」で11.6%。ただ、文系男子(10.1%)や、文系女子(7.9%)、理系女子(10.2%)と比べて、トップの「理系男子」の内々定率が突出して高いわけではない。

 最終選考を通過した学生たちも、平均1.4社の内定に甘んじず、就活を続けるケースがほとんどだ。内々定保有者の今後の活動は「内々定先に不満なので継続」の21.3%と「不満ではないが継続」の62.4%をあわせて、活動継続派が8割を超えている。まだまだ最終的な意思決定を行うまでには至っていないようだ。

 内々定を得た学生に、現時点で入社意思のもっとも高い企業の業界を尋ねたところ、文系中心に「サービス・インフラ」が34.1%、理系中心に「製造(建設除く)」が23.8%と高かった。同じく従業員規模を尋ねると、「1000人以上」の合計が40.8%と、従業員規模の大きな企業からも、すでに内々定を得ている様子が伺える。

 一方で、学生たちの「内々定先への志望度」は、それほど高くはない。内々定を得た学生に対し、その企業の「活動開始時点の志望順位」を聞いたところ、「第一志望」と答えたのは23.2%、「第二志望」は20.2%で、合計4割に過ぎなかった。一方、「第三志望」は19.1%、最も多かったのは「それ以外」(37.6%)。就活が解禁された4月時点で、すでに内々定を出してくれた企業に対し、学生たちの思いはあまり強くないようだ。(編集担当:北条かや)

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