岡山大、土壌から農作物への放射性セシウム移行を半減させる技術を開発

2015年5月23日 16:46

 岡山大学の石川彰彦准教授・原田太郎講師らの研究グループは、中和シュベルトマナイトによって、農作物栽培における放射性セシウムの作物への移行を半減させる技術を開発した。

 放射能問題への対策の一つとして、土壌から農作物への放射性セシウム移行対策が行われており、これまでは塩化カリウムの施用が推奨されていた。

 今回の研究では、水質保全事業の副産物で、岡山県下で大量に保有されている「中和シュベルトマナイト」を用いた放射性セシウム移行抑制剤を開発した。実際にこの抑制剤を使用して、福島県の放射能汚染を受けた土壌で、イネ、サツマイモ、ハクサイ、カブといった農作物栽培の試験研究を実施したところ、放射性セシウムの作物への移行を半減させる効果があることを明らかになった。

 今後は、放射能移行抑制に関する詳細なメカニズム解明などの研究を継続する予定となっている。

 なお、この内容は「放射性セシウムの植物移行抑制剤及びその製造法、並びに植物の生育方法」として特許を出願している(特願2014-016438)。

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