日立製作所の営業利益、2期連続で過去最高更新
2015年5月16日 17:27
エレベーターなどの社会・産業システム部門、そして高機能材料部門の好調により、日立製作所は2015年3月期の連結決算において、営業利益の過去最高を2期連続で更新した。日立製作所は14日、15年3月期の連結決算を発表。それによれば、売上高は前年同期比2.1%アップの9兆7619億円であり、営業利益は前年同期比11.6%アップの6004億円と2期連続で過去最高を更新したことがわかった。最終利益は前年同期比8.9%ダウンの2413億円であった。年間の配当は前年同期比1.5円アップの12円とした。
15年3月期では2期連続で営業利益を更新。エレベーターなどの社会・産業システム部門、そして高機能材料部門、情報・通信システム部門などが順調に推移し増収増益をはたすこととなった。そして三菱重工業<7011>との合板会社設立により、電力システム部門は社外に出したものの、電力流通の競争激化のあおりを受けて61億円の赤字という結果に終わった。そのほかの部門では自動車部門や環境部門などは堅調に推移したものの、建設機械部門は中国の需要縮小により大幅な赤字となった。
そして同日には、16年3月期の業績予想を発表。日立製作所は今期より会計基準が米国会計基準から国際会計基準(IFRS)に移行されるため、単純に比較することはできないが、売上高を9兆9500億円(米国会計基準では9兆9000億円)、営業利益を6800億円(米国会計基準では6600億円)と見込んでいる、営業利益3期連続での過去最高を目指す。最終利益については3100億円(米国会計基準で3300億円)を見込んでいる。
日立製作所によれば、高機能材料部門で自動車向けが好調に推移する以外にも、アメリカ鋳造品大手ワウパカ・ファウンドリーなどの買収効果も寄与するものとみており、その結果、売上高を9兆9500億円(国際会計基準)とみている。また中国の需要縮小により建設機械部門は苦戦が続くものとみているが、電力システム部門にて実施する構造改革により採算が改善するのではないかとの見通しを立てている。配当の予想は未定とした。(編集担当:滝川幸平)