関西を訪れる外国人観光客、「空気がきれい」「皆ファッションセンスが良い」「親切」など高評価

2015年5月14日 18:15

 訪日外国人観光客が増えている。昨年12月には、日本を訪れた外国人旅行者数が1341万人に達し、歓迎ムードがいよいよ高まった。増加の背景は、政府の「クールジャパン政策」が功を奏したというより、むしろここ数年の円安、2020年の東京五輪開催決定、東南アジア諸国への訪日ビザの大幅緩和、免税品の拡大などの影響が大きいだろう。

 国籍別にみた訪日外国人旅行者数では、韓国が20.5%、台湾が21.1%、中国18.0%、香港6.9%など、アジア主要4カ国からで全体の66.5%を占め、タイやシンガポールなど「その他アジア」を加えると、全体の79.1%に達する。LCCの新規参入で国際航空路線が拡充したことも、アジアの中間層にとっては魅力的だ。

 首都圏ではここ数ヶ月、アジア圏観光客の「爆買い」や、花見の流行が報じられたが、それ以外の地域ではどうか。近畿経済産業局が昨年9月と11月、関西国際空港の出発ロビー内で、「韓国・香港・台湾・中国」からの観光客(各エリア約100人ずつ)を対象にヒアリング調査を行なったところ、「関西」という言葉の認知度は台湾が89.2%と最も高く、次いで香港が79.4%、韓国が75.3%、中国が56.8%と最も低かった。「関西」の認知度が9割でトップの台湾では、旅行に関するテレビ番組が多く、テレビから関西エリアの情報を仕入れた人も多いのだろう。

 日本への旅行回数は、韓国、香港、台湾ではいずれも「初めて」が3~4割と少数派で、「2回目以上」の旅慣れた人が多い。一方、中国では「初めて」が7割以上を占めており、関西の認知度が低いのも、訪日回数の少なさと関係しているようだ。

 関西滞在中に「驚いたこと」と「1番良かったこと」について聞いたところ、各国とも共通して 「環境」や「空気」がきれいで清潔、食事が美味しい、サービスが良い、人々が親切、などの声が多く挙げられた。「みんなきれい。ファッションセンスが良い」(台湾20代女性)」、「有名な都市なのに騒音が少ない、安心」(香港40~50代女性)」など、ポジティブな声が多い。ユニークなものとしては、「中国人が大変多い」と驚いた中国人の声が目立った。一方、悪い点としては、「デパートの閉店時間が早すぎる」(香港30代女性)、「免税場所は人が多くて不便」(台湾30代女性)など、改善を求める声もみられる。関西地方のインバウンドマーケティングは、これからが勝負だろう。(編集担当:北条かや)

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