テスラモーターズ、蓄電池市場に進出。日本でも来年から販売開始

2015年5月13日 08:18

 EV(電気自動車)ベンチャーの米テスラモーターズは4月30日、家庭用や法人用の蓄電池市場に参入すると発表した。新たに「テスラエナジー」社を立ち上げ、蓄電池の販売を開始する。家庭用蓄電池「パワーウォール」と業務用蓄電池システム「パワーパック」を、まず米国内で売り出す。

 2003年に創業したテスラはEVの生産と販売で発展してきた。EVスポーツカー「ロードスター」などを展開で知られている。EVで培ってきた蓄電池のノウハウと生産力を生かして、据え置き型蓄電池市場に参入することにした。

 同社はいま、従来の自動車中心の事業範囲をエネルギー産業全体へ広げようとしている。同社CEOのイーロン・マスク氏も、発表会見で「テスラは自動車メーカーでは、エネルギー革新企業である」と語っている。

 同社が発表した家庭用蓄電池「パワーウォール」は、再充電可能なリチウムイオン電池。家庭用電力のピークシフトや太陽光発電など再生可能エネルギーの自己活用を想定している。停電発生時のバックアップ電源としても使用できる。

 「パワーウォール」は、10キロワットアワーモデルで3500ドル(約42万円)、7キロワットアワーモデルで3000ドル(約36万円)。従来製品の半分以下の低価格化を実現した。EV用に開発した小型リチウムイオン電池を転用することによって、低価格化を実現した。

 また同社は、パナソニック〈6752〉などと共同出資で建設している、巨大蓄電池工場「Gigafactory(ギガファクトリー)」を16年以降に稼働させることによって価格競争力を獲得しようとしている。

 同社は、夏にもアメリカで発売し、来年初めには日本でも販売する計画。日本国内でも、電気を節約でき、非常用電源にもなる家庭用蓄電池に注目が集まっており、各社が販売に乗り出している。シャープ〈6753〉、京セラ〈6971〉に続いてオムロン〈6645〉も来年度に参入する。

 テスラの参入により、家庭用蓄電池の販売競争がさらに激化しそうだ。(編集担当:久保田雄城)

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