NYの視点:米4月LMCIも労働市場の回復ペース鈍化を示唆
2015年5月12日 07:17
*07:17JST NYの視点:米4月LMCIも労働市場の回復ペース鈍化を示唆
米国の金融政策の鍵を握る労働市場の状況を見極める展開が続く。米労働省が発表した4月の雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比で22.3万人と、期待通りに20万人超の雇用を回復した。ただ、予想外に20万人を下回った3月分はさらに下方修正され2012年6月以来の低水準となった。また、年初来の平均も19.4万人と20万人を若干欠く。平均時給も前月比+0.1%と、市場予想の+0.2%を下回り、3月+0.2%から低下した。4月の雇用も6月の利上げを正当化するものとはならず、利上げのタイミングをはかる上でも5月の雇用統計を含め、さらなる雇用指標の内容を検証していく必要がある。
そのひとつである米FRBが発表した4月の労働市場情勢指数(LMCI)は-1.9と、3月の-1.8に続き2月連続のマイナスに落ち込んだ。2ヶ月連続のマイナスは2012年5月、6月以降ほぼ3年ぶり。同指数は19種類の雇用指標をもとに算出される。結果は米3月、4月の弱い雇用統計を明確化する内容となった。イエレンFRB議長が好んで使用している米国労働省が発表するJOLT求人指数の3月分でさらに米国の労働市場の活動を判断していくことになる。《NO》