(中国)人民銀、「穏健な金融政策」強調も「実質緩和」傾向に

2015年5月11日 10:22


*10:22JST (中国)人民銀、「穏健な金融政策」強調も「実質緩和」傾向に
利下げを発表した中国。中央銀行の人民銀行は引き続き、「穏健な金融政策」と中性に近い金融政策の実施を強調しているが、実質的には緩和に向かっており、今後も一段と金融政策が緩和される見通しだ。
預金準備率や政策金利の引き下げを続けている人民銀行。今後は「中国版QE(量的緩和)」が打ち出されるとの思惑がくすぶる。ただ、人民銀行研究局チーフエコノミストの馬駿氏は否定的なスタンスだ。「先進国・地域のQEは、政策金利がゼロに近付き、実体経済が後退に直面するという背景の下で採用される非常時の手段であるが、中国は金利がゼロに近付き金融政策の選択肢がなくなっているという問題は存在しない」と指摘。預金準備率や再貸出など他の手段を利用する余地が残っており、「これらの政策手段と、先進国・地域のQEとは本質的に性格が異なる」と強調した。
中国版QEが打ち出される可能性は低いものの、緩和に向かっているのは事実。市場では「追加の利下げや預金準備率の引き下げが実施されるのは必至」とみられている。

【亜州IR】《ZN》

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