(中国)1-3月の自動車輸入17%減、景気減速や現地生産化響く
2015年5月8日 08:47
*08:50JST (中国)1-3月の自動車輸入17%減、景気減速や現地生産化響く
中国の今年第1四半期(1-3月)の自動車貿易は、輸出・輸入ともにマイナス成長に落ち込んだ。うち輸入は、前年同期比17.1%減の25万8000台に低迷。初の大幅減を強いられている。中国景気の減速、習近平政権が進める「反腐敗キャンペーン」が高級輸入車市場を直撃。輸入車の現地生産化への移行も、消費者の輸入車離れを促したとみられる。中国経済網が6日付で伝えた。
中国の自動車輸入台数は2012~13年にかけて1ケタの伸びを維持。14年には前年比21.6%増の142万2000台に拡大していた。しかし今年に入って、需要が急激に鈍化。1~3月の国内輸入車販売台数(車両登録ベース)は、前年同期比5.78%減の31万8000台に落ち込んだ。
ブランド別にみると、今年1-3月の自動車輸入上位10ブランドのうち、メルセデス・ベンツ、ジープ、BMW、フォルクスワーゲンなど6ブランドで輸入台数が大幅に落ちた。販売シェアでみると、欧州系輸入車が5割を確保したものの縮小。また、日系が初めて米系に抜かれた。
車種別では、SUVが1~3月乗用車輸入の64.0%を占めたが、成長の勢いは減速。現地生産化へのシフトが影響している。
在庫圧力の高まりにつれて、輸入車の小売価格も低下傾向にある。3月の平均値下げ幅は6万9000人民元(10.7%)に達し、12年に記録した過去最大水準に迫った。なかでもSUV(スポーツ多目的車)と大型セダンで値下げが目立っている。
一方、今年1~3月の中国自動車輸出台数は、前年同期比4%減の19万5000台。苦戦が続いた。しかし、国別でみると、西アジア・東南・南アジア向けが好調だった。習国家主席が提唱する新外交戦略「一帯一路」の一部である「21世紀海上シルクロード」構想の効果がはっきりと表れた格好。そのなかでも西アジア向けは、前年同期比で145%の増加率を記録した。
【亜州IR】《ZN》