NYの視点:米雇用統計に依然楽観的な見方も存続
2015年5月8日 07:14
*07:14JST NYの視点:米雇用統計に依然楽観的な見方も存続
一部先行指標を受けて米労働省が発表する4月の雇用統計に警戒感が広がった。雇用統計と最も相関性が強いと見られている民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の4月分が前月比16.9万人増と2ヶ月連続で20万人を割り込んだ。2カ月連続の20万人割れは昨年1月以来となる。4月の人員削減数も増加した。チャレンジャー人員削減数の4月分は前年比52.8%増の61,582人と、増加率は2013年8月来で最大となった。
一方、やはり雇用統計の先行指標となる米労働省発表の週次新規失業保険申請件数は26.5万件と、市場予想の27.8万件を下回り15年ぶりの低水準近辺を維持。変動の少ない4週平均は前週比4250件減の27.95万件と2000年5月来で最少を記録するなど、雇用が順調に改善している証拠となった。また、失業保険継続受給者数は222.8万人と、予想外に前回の225.6万人から減少し、2000年11月来で最少を記録した。
ゴールドマンサックスのエコノミストは20万人を割り込んだ弱いADP雇用統計にもかかわらず、米4月の雇用統計はポジティブサプライズの可能性もあると楽観的な見通しを示した。サービスセクターの雇用は強く、天候回復に伴い一段と強まる可能性を指摘。米供給管理協会(ISM)が発表した4月のISM非製造業の雇用は56.7と3月の56.6から上昇した。カレンダー効果も考慮し、23万人の雇用を予想している。失業率も3月の5.5%から低下し、5.4%と2008年5月来の低水準を予想している。《NO》