中国:当局が信用取引への締め付け強化、信用残の上限を提言

2015年5月7日 11:12


*11:12JST 中国:当局が信用取引への締め付け強化、信用残の上限を提言
中国の証券当局が株式の信用取引に対する締め付けを強化している。中国証券監督管理委員会(証監会)の張育軍・主席助理は6日、各証券会社に対し、信用残が前月末時点の純資本の4倍を超えないよう求めた。信用取引業務の規模を適切な水準に抑える必要があると説明。この水準を超えた場合、新規の融資や貸株を禁止する方針としている。
地場証券の申万宏源によると、今回の規制は法的な拘束力を持つものではないという。ただ、信用取引の規模が急拡大するなか、当局がその過熱ぶりに警戒感を抱いていることは確かだ。証監会は先月17日、信用取引業務のリスク管理を強化するよう証券会社に求めている。
こうしたなか、証券会社も独自に規制の動きに出始めた。6日付の証券時報によると、最大手の中信証券(6030/HK、600030/SH)に続き、27社が保証金換算率(代用掛目)の引き下げを実施。うち招商証券(600999/SH)は1352銘柄を対象に引き下げるなど、大規模な見直しに踏み切った。保証金換算率の引き下げにより、株式などを担保とする際、利用できる証拠金の額が減少することになる。
もっとも、信用残の上限提言に関しては、影響は限定的との見方もある。業界関係者によると、国内証券会社の純資本は現時点で計7000億人民元。その4倍に当たる2兆8000億人民元が上限の目安となる。そのため現在の信用残(4月末時点で1兆8700億人民元)と比較すると、拡大の余地はまだ大きいという。

【亜州IR】《ZN》

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