中国:車排ガス検査で不正、老朽車でも5800円で検査免除に

2015年5月7日 10:24


*10:26JST 中国:車排ガス検査で不正、老朽車でも5800円で検査免除に
北京市や天津市などで、車検の際に、廃棄処分寸前の車両の排ガス検査を免除にするといった不正が増えている。“やみ屋”が300人民元(約5800円)程度で、車検業者との仲を取り持っているからだ。車検業者も、厳格な検査を行えば顧客が集まらないため、不正をすることでより多くの利益を得ているのが現状のようだ。北京晨報が7日までに伝えた。
天津市南開区にある車検業者に出入りするやみ屋は、「排ガス基準を満たしていない車両も何とかする」と明かす。外観をきれいに洗い、400人民元で合格にすることが可能という。同市西青区の車検業者でも、多くのやみ屋が「300人民元で合格にできる」と述べている。
厳格であるはずの排ガス検査は、これらの一部やみ屋を通じて簡単に通過できる仕組みとなっているようだ。天津市河西区のある車検業者では、廃棄処分寸前の小型車に対し、排ガス検査をしないまま、検査報告書に印鑑を押していたという。
北京市や天津市では、車検を代行する仲介業者が数千社に上る。排ガス検査で不正する、検査を形式的に流すといった業者の存在は、業界内でも“公然の秘密”になっているという。環境保護部機動車排汚監控中信の元研究員は「やみ屋が車検業者とつながり、不正を行うことは普遍的なこととなっている」と指摘する。
ここ数年では、安徽省合肥市や広西チワン族自治区南寧市など多数の地域でも、車検業者が不正を行っていることが発覚している。広東省仏山市公安局の元副局長が、車検業者の経営者などから124万人民元の賄賂を受け取っていたほか、河南省鄭州市公安局の機動車検測中信関係者が、仲介業者から9万人民元余りの賄賂を受け取ったことなどが分かっている。
中国の自動車保有台数は2014年時点で1億5400万台に達した。多くの都市の環境保護部門は「自動車の排ガスが中国の都市部の大気汚染の原因の一つ」と指摘。国務院(中央政府)は大気汚染防止措置として、排ガス基準を満たしていない車両を運転してはならないと明確に求めている。

【亜州IR】《ZN》

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