2周年を迎えたグランフロント大阪。好調な集客を生む魅力とは?

2015年5月2日 15:30

 商都大阪の玄関口・梅田に、約44,000㎡と都心部ターミナル立地では日本最大級の店舗面積の商業施設を持つ「グランフロント大阪」が誕生してから、2周年となった。JR大阪駅北側に位置するこの大型複合施設を訪れた累計入場者数は約1億230万人にのぼり、2年目の入場者数だけをみても、目標としていた3650万人を35%も上回る4930万人を記録し、商業ゾーンの売上も2年連続で目標の400億円を上回る444億円となった。阪急百貨店の改装など、近隣施設の再開発との相乗効果、さらには訪日外国人客の増加なども相まって集客も好調なようだ。

 グランフロント大阪は、ショップや飲食店が立ち並ぶ商業ゾーンも大きな魅力であるのは間違いないが、他の商業施設と一線を画すのが「ナレッジキャピタル」の存在だ。ナレッジキャピタルは、大阪の魅力向上の目玉の一つとして生まれたもので、先端技術を持つ企業や大学、クリエイター、そして一般生活者など様々な人々が集まる知的創造拠点だ。

 分野を超えて協業でのプロジェクトを起こし、参加する多くの一般生活者の声をフィードバックしていくことで、新たな産業の創出や文化発信、国際交流、人材育成を行っている。企業のオフィスをはじめ、サロン、ラボ、ショールーム、シアター、イベントスペース、コンベンションセンターなど、多彩な施設がグランフロント大阪の北館に軒を連ねている。

中心となっている「The Lab.みんなで世界一研究所」では、様々な企業や研究機関が出展し、最先端のロボットやセンサー技術、メディアアートなどの最新技術に実際に手で触れたり、体験することができる。また、各企業が設けている「フューチャーライフショールム」も体験型の他にはない新スタイルのショールームが並んでいる。

 知育玩具や育児用具などを扱っている日本の玩具メーカー、ボーネルンドでは心と頭と体の全部を使う遊び場「キドキド」を設け親子で楽しめると共に、専門家を講師に子育てに関するセミナーや、世界の遊び道具を使ったワークショップなどにも参加できる。また、別の一角ではロート製薬<4527>が未来の健康づくりをコンセプトに、三國清三シェフのプロデユースによる薬膳フレンチレストランで併設の屋内ファームで育てた野菜を提供している。

 住宅メーカー大手の積水ハウス<1928>の「SUMUFUMULAB」(住ムフムラボ)も他にはない施設だ。住宅メーカーの展示場といえば、最新の住宅設備の解説やセールスが行われるような印象を受けるかもしれない。しかし、「住ムフムラボ」は、どちらかといえばその逆。ここは営業施設ではなくカフェを併設し、住まいについての様々な図書や展示を自由に読んだり体験したりすることができる。今まで思いつかなかった自分自身の好みや大切なことに、親子で楽しみ、くつろぎながら気付かせてくれる工夫が盛り込まれていて、2年間の来館者は33万人を超えている。

 また、純度100%の暗闇空間で視覚障害者のアテンドのもと、住まいにおける様々な生活シーンを体験できるダイアログ・イン・ザ・ダーク「対話のある家」なども定期的に開催しており、「暮らし」を多角的に再発見できる貴重な空間となっている。

 ここでは通常の店舗やショールームとはひと味もふた味も違った刺激が得られる。買い物のついでにふらりと立ち寄れたり、子どもたちの自由研究の参考にするなど、誰でも気軽に知的体験ができ、さらには様々なものづくりに直接関われることが「ナレッジキャピタル」の大きな魅力だ。GWには、買い物だけではない大人も子供も楽しみながら学べる「グランフロント大阪」の人気の秘密を感じに行ってみてはいかがだろう。(編集担当:石井絢子)

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