ISSの物資の備蓄は十分、油井宇宙飛行士の打ち上げへの影響は不明=JAXA

2015年5月1日 07:44

 4月28日に発生した、国際宇宙ステーション(ISS)への補給物資を載せた「プログレスM-27M」が制御不能になった事故について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月30日、ISS内の物資の備蓄は十分であり、当面滞在している宇宙飛行士への影響はない、と明らかにした。

 一方、5月に予定されている、油井亀美也宇宙飛行士ら3人を乗せた「ソユーズTMA-17M」宇宙船の打ち上げへの影響はまだ不明だという。

 プログレスM-27Mは4月28日の打ち上げ直後に制御不能に陥り、現在もまだ回復の見通しが立っていない。29日にロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)はISSとのドッキングを断念した。現在は、問題が発生した原因の究明と、地球上の安全な場所に確実に落下させることを目的に、引き続き機能回復に向けた作業が続けられている。

 プログレスに搭載された補給物資がISSに届かなくなったことで、現在ISSに滞在している宇宙飛行士への影響も心配されたが、JAXAによれば「(今回のプログレスの補給物資がなくとも)数か月間は通常通り、食べる量を減らしたりなどの制限をすることなく、運用できるだけの量があると聞いている」とのことだ。

 ISSに向けては、今年6月29日米スペースX社のドラゴン補給船運用7号機が、また8月17日には日本の補給船「こうのとり」5号機の打ち上げが予定されており、これらの打ち上げが順調に行われれば、ISSの運用は問題ないということになる。

 一方、来月27日に予定されている、オレッグ・コノネンコ宇宙飛行士(ロスコスモス)、油井亀美也宇宙飛行士(JAXA)、チェル・リングリン宇宙飛行士(NASA)の3人を乗せたソユーズTMA-17Mの打ち上げへの影響については、「現時点では、予定通り打ち上げられるか、それとも延期されるのか、まだわからない」という。

 またJAXAでは、JAXAの宇宙飛行士がソユーズに搭乗する場合、ロケットの打ち上げを行うか否かを決定する審査会に毎回出席しており、必要があればロシア側に意見を行うこともあるが、それに加えて今回の事故では、JAXAでも情報収集を行っており、今後ロシア側から今回の事故の調査結果などが発表されれば、JAXA側でも独自に審査を行うという。

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