【話題株】GW本番前にホテル株が動意強める、京都ホテル連続ストップ高

2015年4月28日 09:47

 ゴールデンウイーク(GW)の連続休暇が27日(月)から始まった会社もある中で、株式市場では27日、ロイヤルホテル <9713> (東2)が14.8%高と2008年以来の高値に進み、ホテルニューグランド <9720> (JQS)は一時13.7%高まで上げて5.9%高。ホテル株が軒並み大幅高となった。日経平均が4営業日ぶりに終値で2万円を割り、全体相場にも休養一服のムードがある中で、材料性のある軽量株はむしろ出番到来として注目されたようだ。連休の谷間は参加者が減るため、まとまった買いが入れば値が飛びやすい面があることは確かだ。連休後半の動向が注目されている。

 京都ホテル <9723> (東2)は15.2%高となり、2日連続ストップ高の5日続伸となった。契機は、日本政府観光局が22日付で3月の「訪日外客数」(2015年3月推計値)が単月としては過去最高の152万6000人を記録したと発表したことなどがある。

 発表によれば、2014年は年間を通しての月間の最高が2月だった。これは中華圏の旧正月連休である「春節」の月に当たるため納得がゆく。しかし、15年は2月、3月と続けて過去最高を更新した。3月の増加要因としては、東南アジアなどでのビザの緩和、春の桜シーズンに向けた訪日プロモーション、円安の継続による訪日ショッピング人気、主に欧州でのイースター休暇時期の変動などが挙げられている。このように見ると、「日本は四季の変化に富むため、年間を通じて外国人観光客が増加してもおかしくないといえる」(国内証券のアナリスト)。ホテル産業にとっては、年間を通じて稼働率が上がる可能性があるわけで、ホテル株の軒並み高には、それなりの理由があることになる。

 奈良の東大寺などでは、中華系の旅行客の中に願い事などを書いた屋根がわらを寄付して熱心に祈る姿も見られ、巷間いわれる日中間の相互イメージ調査などと観光需要とは別の見方をする必要がありそうだ。

 ホテル株のPERを見ると、京都ホテルの200倍台からロイヤルホテルの11倍台まで幅広く、これだけに注目すると京都ホテルは割高すぎて買いづらいことになる。また、京都ホテルなどの連日高値更新に比べ、日本ビューホテル <6097> (東2)は6.2%高だったがまだ高値は未更新だ。この点ではロイヤルホテルやビューホテルに割安感や出遅れ感があることになる。ただ、こうした相場では、先駆高する銘柄や先導役の銘柄に資金が集中することが少なくなく、しばらくは京都ホテルに妙味があるとの見方もある。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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