中国:上海で「世界汽車産業サミット」、未来ビジョンを討論
2015年4月27日 08:24
*08:25JST 中国:上海で「世界汽車産業サミット」、未来ビジョンを討論
「世界汽車産業サミット」が22日、上海で開催された。上海モーターショーに合わせて、自動車ネットメディア「盖世汽車網」が毎年主催しているもの。自動車産業の未来ビジョンについて業界関係者や専門家が討論する場となる。7回目を迎える今年のテーマは「緑色(エコ)、環境保護、スマート化」。内外自動車・部品メーカーの経営陣や開発・技術者、業界専門家など800人が一堂に会し、自動車業界の発展の方向性などについて意見交換した。盖世汽車網が24日付で伝えた。
米国自動車部品大手ジョンソンコントロールズのグローバルテクニカル統括責任者は同サミットで演説し、エコカー市場に影響を及ぼす要因として、「政策と技術」を指摘。市場成長過程で、メーカーはこれらの“均衡点”を探ることが不可欠だ——との見方を語った。
「中国、欧米に限らず、2020年と2025年を期限に設定された自動車排ガスと燃費に関するルールを満たすには、より良い製品や技術を開発すべきだ」との認識。従来の内燃機技術と、高圧のリチウムイオン電池技術との間を埋める低圧リチウムイオン電池や、主にブレーキ時のエネルギー回生やアイドリングストップの再始動時のみにモーター使用を限る「マイクロハイブリッド」技術が省エネ・排出削減の理想的なソリューション案になるだろう——と指摘した。
上海汽車集団(600104/SH)と仏ヴァレオの合弁自動車部品メーカーである上海法雷奥汽車電器系統有限公司の幹部も、エコカー市場の巨大ポテンシャルに期待。「環境対応基準が厳格化される中で、自動車に搭載される従来内燃エンジンの比率は、25年までに現在の70%から32%程度までに縮小する」と予想した。
また、「スマート化」については、カーテレマティクス技術に話題が集中。同技術がドライバーに快適性をもたらす可能性や、道路交通に関してどういった安全問題をもたらしうるのかといった課題が提起された。そのうえで、完成車・部品メーカー、業界専門家が共同で追求していくべきとの認識が得られたという。
今年の上海モーターショーは、会場を世界最大の展示場である「国家会展中心」に移し、4月20-21日がプレスデー、22~29日が一般公開日の日程で開催されている。展示面積は35万平米超。18カ国・地域の約2000社の内外企業が合計1343台を出展した。うち109台は世界初公開。
【亜州IR】《ZN》