NYの視点:来週はFOMC、BOJ会合、ギリシャ情勢を睨んだ展開へ
2015年4月25日 07:49
*07:49JST NYの視点:来週はFOMC、BOJ会合、ギリシャ情勢を睨んだ展開へ
4月21日付けのシカゴIMM、投機・投資家筋のポジションで円の売り持ち高は前週からさらに減少し、2012年10月以来で最小となった。
◎来週のポイント
日本銀行の金融政策決定会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目が集まる。米国の利上げの時期を探る上では全米の製造業指数、1-3月期の国内総生産(GDP)速報値に注目。特に悪天候がひびき低調な結果となった1-3月期から大幅な改善が期待されている製造業の4月の全米指数が果たして回復したかどうかに焦点が集まる。
一方、日本の追加緩和の可能性を探るため、3月の全国消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)で日本の物価動向を確認していく。
●日本
29-30日:日銀金融政策決定会合
1日:3月の全国消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI):予想+2.1%、2月+2.0%
根強い日本の追加緩和観測が円売り材料となると考えられる。浜田宏一内閣官房参与がイベントで、「2%の物価目標を達成できないのであれば追加緩和をする必要がある」と語ったと伝えられている。また、日本銀行は2015年度の消費者物価指数(生鮮食品を除く)の上昇率の見通しについて、現行の1.0%を小幅に下げ、0%台後半とする方向で検討に入ったと報じられている。いずれも追加緩和観測を強める。
消費増税の影響が残存し、消費に依然弱さが見られるほか、中国経済が減速していることを考慮したという。30日に開催される金融政策決定会合で取りまとめる経済・物価情勢の展望(展望リポート)に盛り込む模様。日銀は2%の物価目標を掲げているが、15年度の見通しを引き下げることで、目標からさらに遠ざかることになる。ただ、16年度については、現在2.2%としている見通しをほぼ据え置くとみられる。今回初めて見通しが出る17年度も、2%程度にとどまる見込み。
さらに、月初に発表される3月の消費者物価指数にも注目。2月は前年同月比2.0%上昇と7カ月連続で伸び率が鈍化。3月は上昇が予想されているが予想を下振れると追加緩和観測が強まる。
●ギリシャ動向
ギリシャ支援資金を供給する銃剣となる改革案に関する協議は最終段階と見られるが、モスコビシ欧州連合(EU)委員は「ギリシャに関し、プランBはないが、必要だ」と訴えるなど合意にはまだほど遠い。メルケル独首相は両者の歩み寄りが必要であると強調した。ユーロ圏財務相ではほとんどの財務相がギリシャのファロファキス財務相の方針に反対したと報じられている。ただ、ギリシャのユーロ離脱を誰も望んでいないことは確かで、最終的に合意にいたるとの期待にユーロは底堅い。
国際通貨基金(IMF)への支払いは2日以内に支払えばよい。最初の2.02億ユーロの支払いは1日だが金曜日で休日となるため実際の期限は6日になるという。7.7億ユーロの支払いの期限は12日のまま。また、マーケットニュースインターナショナルが関係筋の話しとして、5月25日が新たな期限となると報じた。
*ギリシャの期近支払期日
4月末:17億ユーロ、賃金、年金の支払い
5月1日:2.02億ユーロ、IMFへ返済、2日以内に支払えばよいため、実質期限は6日
5月8日:14億、Tビル
5月12日:7.7億ユーロ、IMFへ返済
5月15日:14億ユーロ、Tビル
●米国
29日:連邦公開市場委員会(FOMC)、1-3月期国内総生産(GDP)速報値:予想1.0%(10-12月期+2.2%)
1日:4月ISM製造業景況指数:予想:52.0(3月51.5)、メスター・クリーブランド連銀総裁講演、ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁講演
米国では相変わらず1-3月期の低調な経済指標が続いている。利上げ先送り観測からドル売りが優勢となっている。米商務省が発表した3月の耐久財受注は前月比+4.0%と、2月の-1.4%からプラスに改善、市場予想の+0.6%を大幅に上回り昨年7月以来の大幅な伸びを記録。しかし、企業の設備投資の先行指標となる製造業資本財受注(非国防/除航空機)は前月比0.5%減と、プラス予想に反し7か月連続のマイナスに落ち込んだ。国内総生産(GDP)の算出に使用される製造業資本財出荷(非国防/除航空機)も前月比0.4%減と、やはりプラス予想に反して2月分からマイナスに転落。1-3月期国内総生産(GDP)がさらに下方修正される可能性も出てきた。ドイツ銀行のエコノミストは早速、1-3月期GDPの成長見通しを1.7%増から0.7%増へ大幅に引き下げ。受注、在庫、出荷の弱さを指摘した。一方、引き続き第2四半期に景気が回復する可能性も除外しないとしている。特に、全米の製造業指数を示す4月のISM製造業景況指数で期待通りの回復が見られるかが、焦点となる。
●地政学的リスク
ウクライナ紛争
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン
【4/21IMM】
*日本円
ネット・円売り持ち:-14,448(4/21)←円売り持ち:-23,070(4/14)(直近ネット円買い持ち最高水準:08年3/25+65,920、04年2/6+64499)(過去最高ネット円売り持ち高:07年6/26-188,077)
*ユーロ
ネット・ユーロ売り持ち:-214,645(4/21)←ユーロ売り持ち:-212,347(4/14)(07年5/15:+119,538過去最高買い持ち高、10年2/9-57,152過去最高の売り持ち高)
*ポンド
ネット・ポンド売り持ち:-29,281(4/21)←ポンド売り持ち:-36,045(4/14)(07年7/22:直近ネット買い持ち高最高水準+98,366)
*スイスフラン
ネット・スイスフラン買い持ち:335(4/21)←スイスフラン買い持ち:+170(4/14)(過去最高スイスフランネット売り持ち高:07年6/19:-79,331)
*加ドル
ネット・加ドル売り持ち:-27,051(4/21)←加ドル売り持ち:-30,578(4/14)(直近ネット買い持ち高最高水準:07年10/12+83001)
*豪ドル
ネット・豪ドル売り持ち:-34,663(4/21)←豪ドル売り持ち:-42,433(4/14)
*NZドルネット・NZドル買い持ち:8,488(4/21)←NZドル買い持ち:6,003(4/14)
*メキシコペソ
ネット・ペソ買い持ち:-13,675(4/21)←ペソ買い持ち:8,361(4/14)(直近買い持ち高最高:08年2/29+125,000)《KO》