3月の企業向けサービス価格は前年比3.2%上昇 伸び率は鈍化
2015年4月24日 15:48
日銀が24日発表した3月の企業向けサービス価格指数(2010年=100、速報値)は103.0で、前年同月比3.2%上昇した。ただ、上昇幅は前月の3.3%から0.1ポイント鈍化した。消費税増税の影響を除いた指数は100.3で前月の0.6%の上昇から0.5%の上昇へ0.1ポイント伸び率が鈍化した。前年同月の消費税増税前の駆け込みの反動が出たみられる。2014年度全体の指数は102.5で、前年比3.4%上昇した。
企業向けサービス価格指数は、広告や運輸、通信など、企業間で取引される価格水準を表す。3月の指数のうち、消費税の影響を除いた指数を見ると、ホテル宿泊サービスなどが、外国人観光客の増加などで、前年比6.0%上昇した。また、労働者派遣サービスが、企業の人手不足を反映し、同1.0%の上昇となった。ただ、上昇幅はいずれも前月より鈍化した。
不動産では、不動産賃貸や事務所賃貸がいずれも前年比マイナスとなった他、ソフトウエア開発などの情報通信も同マイナスとなった。
国内航空旅客輸送は、前年比0.5%上昇したものの、前月の4.5%上昇から伸び率が縮小した。北陸新幹線開業に伴い、航空各社が値下げに踏み切ったことが要因とみられる。半面、道路旅客輸送は、貸切バスなどの観光客輸送が増え、同2.8%上昇と、前月の2.2%上昇から上げ幅を広げた。
広告分野では、テレビ、新聞がいずれも前月比マイナスとなったのに対し、雑誌広告は前月の同3.4%のマイナスから一転、5.7%の上昇となった。4月の価格改定の前倒しの影響と見られる。(記事:南条 誠・記事一覧を見る)